ホーム > ソブラエティのための道具90 > 21
2006/01/11
90 TOOLS FOR SOBRIETY
ソブラエティのための道具 90
21) かつて「どんなふうだったか」を思い出してごらん。最後の泥酔、あの感情、などなど。
Remember HOW IT WAS. Your last drunk, the feelings etc.
「俺達には、もうほろ酔いなんてものはないんだ」
僕のスポンサーはそう言ってくれました。それが100%の真実かどうかは別として、「ほろ酔い」を目指して最初の一杯に手を出しても、待っているのは泥酔と後悔に間違いありません。酒を飲めばよい気分になれるというのは、長い間自分に取り付いてきた幻想です。現実には、最初の一杯を飲み干してしまったら、次の一杯に手を出すのを止められる力は僕にはありません。そして、さらにもう一杯・・・。
「アルコホーリクには、一杯でも多すぎ、千杯でも足りない」
ビールの喉越しの心地よさ、強い酒を飲み干したときの胃の温かさ、頬がほうっと温まったような気持ちよさ、心がほぐれて自由に動き出す様子。僕は飲んで気持ちよくなることを求めて、酒に手を出していました。しかし、依存症になってからというもの、実際の飲酒が僕に与えてくれたものは、責任を放棄したことへの後悔、周囲の視線に対する恐れと反発、飲酒を止められないことへの絶望感、そして将来に対する言い表しようの無い不安などなどです。
だから、「かつてどんなふうだったか」を思い浮かべるときに、それは酒が与えてくれた安らぎではなく、酔っ払ったときの感情や、次の一杯をいつどうやって飲むかに駆り立てるあの強迫観念でなくてはいけません。でも、普通の人にとって酒は楽しみでしかないのです。だから、僕が普通の人の中に紛れ込んでしまおうと思えば、あの強迫観念の記憶はどんどん薄れていってしまうでしょう。
「かつでどんなふうだったか」を正直に思い出すために、僕には同じ経験を共有できる仲間が必要なのです。