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2006/01/11
90 TOOLS FOR SOBRIETY
ソブラエティのための道具 90
26) 「古い考え」を手放してごらん。
Turn loose of old ideas.
僕はこう思っていました。
「どんなことだって結局は自分で解決しなきゃならないんだし、解決できなければそれは負けだ」
ひるがえって考えてみれば、僕が酒を飲んできた年月は、この信念が徹底的な敗北をするまでの年月だったのかもしれません。僕は地図を失った旅人のように、行き当たりばったりに解決を求めていました。
つまり、きつい臭いのするジンを臭いの少ないウォッカにかえ、胃に優しいように日本酒にかえ、二日酔いがひどくならないようにビールにかえ、吐き気が少なくなるようにワインにかえてみました。しかしどの酒でもうまくいかないと判ると、今度は日没後にしか飲まないことに決めました。しかし、夜に続けて朝も飲んでいるようになっただけでした。
一升瓶に4本の線を引いて2合ずつに分け、月曜から金曜に割り振り、土日は休肝日にするという方法を考えたこともありました。もちろん守られませんでした。
飲む量にも、飲んだ結果にも、コントロールがきかないなんて、思いもしませんでした。いざ酒を止めざるを得ない状況に追い込まれても、「自分の力で酒を止められるはずだ」と思い、そして「自力で止めなければならない」と自分に言い聞かせていました。それは大変に辛いことだったので、「一生の断酒の前に、もう少しだけ酒を飲んでおこう」という考えが起きても不思議はありませんでした。
僕もさまざまな方法を試してみて、やっと最後に「自力で解決できない問題もあるんだ」と認め、アルコールの問題も自分では解決できないと納得して、助けを求めました。
では今では「古い考え」から自由になれているかというと、そんなこともありません。
自力で解決できそうにない大きな問題がやってくると、僕は簡単にうろたえ騒ぎ、打ちひしがれてしまいます。なにより自分がその問題を解決するストーリーの脚本家であり、主役でなければならないと考えるからです。
誰かの書いた脚本にしたがって進めていけば、自分より大きな力がその問題を解決してくれること。その解決は決して自分の望んだ解決ではないかもしれないけれど、ともかく問題は過去のもになること。そうした新しい考え方は、僕の頭の中からどこかへすっ飛んでいってしまうのです。「どんな問題も、それを乗り越えるエネルギーと一緒にやってくるんだ」という仲間のメッセージを思い出すには、自分ひとりの力では、いつも足りません。