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2007/02/18
90 TOOLS FOR SOBRIETY
ソブラエティのための道具 90
33) 困っているときも、そうでないときも、分別のある手助けを選びなさい。
Seek knowledgeable help when troubled and or otherwise.
それには様々な理由があるのでしょうが、一番ありがちなのは、また酒を飲んでいるというのでありましょう。そして、再び精神病院に現れるのであります。
当時、その病院には毎月病院メッセージに行っていました。患者さんがAAのメッセージに出席するのは、ほとんど義務みたいなものでした。再入院した人が、僕らと再び顔を合わせるのが、どんなにばつが悪いと思ったとしても、結局会わざるを得ないのであります。
そういう人に、多くの言葉をかける必要はないと思っています。主旨としては「もう一度一緒にやりましょうよ」
と言うだけであります。
「今度こそ一生懸命やりますよ」と威勢の良いことを言いながら、結局退院しても一度もミーティングに顔を見せないってことも、よくあります。別に裏切られたとか思いません。僕らは酒のせいで、いつも「困った立場」に追い込まれていました。その場を切り抜けるだけの言葉ばっかり出てくるようになっても、不思議じゃありません。
ある時「AAミーティングにはもう行けない」という人がいました。
金がないから苦し紛れに飲んでしまった。そして今も金がない。だからミーティングに行く金もない。というのが、その人の理屈でした。別にその人のことは、放っておいてもよかったのです。でも僕は、「こういう人を相手に、どうやったらいいでしょう」とスポンサーに電話して相談してみました。スポンサーは、うん、うんと話を聞いた後、くれたアドバイスは
「ほっとけ」
だけでした。
それを聞いて、正直カチンときました。(そりゃあなたは、長年いろんな仲間の手助けをして、そのたびに失敗するという貴重な経験を積んできているかも知んないけど、でも、僕ときたらまったく未経験で、その僕には失敗の経験を積む余地もないと言うんですかぁ) というわけです。もちろんそんな言葉は、心の中にしまっておきましたが。
結果なんかどうでもいいから、やれることをやってみようと思いました。
ただ、現金を渡してもなんの役にも立たないという分別はありました。そこで、駅でオレンジカードを買い、次にその人に会った時に渡しました。「これでミーティングに行ってみてください」と一言添えて。後で聞いた話では、その人はカードを他の患者に売りつけ、その金を持ってコンビニに酒を買いに行ったそうであります。病院側は「困ったことをしてくれた」とすっかりお冠でありました。
「僕は自分にできることをした。あとは相手の問題だ」と思うこともできたでしょう。でもそれはただの自己満足です。僕は自分のやりたいようにやって、相手は僕の思い通りには動いてくれなかった。そういうことでしょう。
話は変わって、AAイベントの会場にいると、たまに携帯に
「いま○○駅にいるんだけど、車で迎えに来てくれないか。タクシー使うと高いから」
という電話がかかってくることがあります。これが前々から頼まれていたというなら、話はわかります。ソブラエティ1年目で、どうしていいのかわからない人なら、暖かく迎えに行ってあげたいと思います。体の具合が悪いなら助けてあげたいです。
ところが、元気で、おまけにAAに何年もいるような人が、平気でこれをやるんであります。おもわず、「あんたは、AA以外の集まりでも、同じことをするのか」
と問いつめたい気分になります。けれど、結局文句も言わずに迎えに行ってしまいます。何年たっても社会常識が身に付かないのは、お互い様であります。逆に助けが必要な時に、「助けて」が言えない病気でもあります。
助けを差し出す方も、助けに手を伸ばす方も、分別のある手助けを選び取らなくちゃならない。実はかなり難しいテーマだという気がします。
33番は先頭の単語が Seek のものと、See のもののふたつがあります。