ヤマアラシのジレンマ

Das Dilemma der Stachelschweine - 「心の家路」のブログ

形式的な退院?

全国の精神科の病床数(ベッド数)は32万。そして、患者が足りなくてベッドが余っているという話はなかなか聞きません。
何年も入院している人の中には、とっくに退院できる状態になっているのに、病院の外に受け皿がないために、やむなく入院を続けている人がいます(社会的入院)。その数6万9千人。

社会的入院には批判も多く、厚労省は2012年までにはゼロにするという目標を立てています。障害者自立支援法では、各自治体がグループホームを建てたりして、自立を促すことになっています。
でも、税金が足りないわけですね。

そこで精神病院の病棟の一部を「退院支援施設」という看板に掛け替えて、同じ病室に居ながらにして「退院したことにする」という裏技を編み出したんでしょう。

新たに施設を作る場合には個室が原則ですが、精神科病棟を転用する場合には4人部屋でもOK。そうじゃないと転用できませんからね。病棟を転用しただけで、ほんとうに「自立訓練」ができるのかも怪しいところです。

!精神科病棟の一部、退院支援施設に 厚労省
http://www.asahi.com/health/news/TKY200608240351.html

!電子政府の意見募集のページはこちら。
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495060088
該当のページは、「概要(別紙)」の14ページ目にあります。
これだけ読んだだけじゃさっぱり理解できませんが、それはいつものことですか。

なんでもいいから精神科病棟のベッド数を減らしたい。そんな思惑が見え隠れするような政策であります。
パブリック・コメントというのは国民からの意見募集ということですが、本来30日あるはずの期間が、9月15日までなのも「どたばた」感があります。それで9月末には施策が決定するのだとか。

お暇な方は、電子メールで意見を送られてもいいかと思います。

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