アルコール依存症など専門的入院治療の評価アップ

【中医協】アルコール依存症など専門的入院治療の評価アップへ
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 中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大経済学部教授)は12月4日、来年度診療報酬改定に向け、「アルコール依存症」「摂食障害」などの専門的な治療が必要な疾患の入院治療をめぐり議論した。厚生労働省は論点として、これらの疾患の特殊性を踏まえ、それぞれ報酬上の対応を行うことを提示。診療側を中心に「(現状の評価から)上げるべき」との意見が上がり、支払側も反論しなかった。ただ、「摂食障害」の治療に対する評価には疑問を呈する意見もあり、厚労省が用意するデータを基に再び議論する。

 現行の診療報酬上の評価では、「アルコール依存症」などの入院治療については「入院集団精神療法」として1日に100点、「摂食障害」などの入院治療では「心身医学療法」1日70点、また「頭部が変形に至るまで自分を叩く」「糞食やトイレの水を飲む」などの行動障害が突発的に発生する「強度行動障害を伴う知的障害・発達障害児(者)」については、「障害者施設等入院基本料」954-1555点などで対応している。
 これらの評価について厚労省保険局の佐藤敏信医療課長は、「現状では一般的な『心身医学療法』などを準用する形で行っている」と指摘。それぞれの特殊性にかんがみ、「特定入院料」などを新設して評価してはどうかと論点を提示した。

 その後、これらの疾患で専門的入院治療をした場合、現状の点数より高く評価するかどうかについて意見交換した。
 診療側の邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)は、時間外に「アルコール依存症」や「摂食障害」の患者の受け入れ医療機関を探すのが難しかったことを説明。「低い点数設定も、ある程度影響しているのではないかと思う」と述べ、さらなる評価を求めた。安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、こうした疾患の患者を受け入れた場合、「足が出てしまうような形になっているのではないか」との認識を示し、医療機関の負担にならないような治療の実態に合った評価の実施を提案した。
 支払側の勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も、「摂食障害」を治療する医療機関は数も少なく、質も標準化されていないと指摘し、質の向上のために評価を高める必要性を示した。

 おおむね現状の評価から高める方向で議論は進んだが、嘉山孝正委員(山形大医学部長)は、「アルコール依存症」や「強度行動障害を伴う知的障害・発達障害児(者)」などへの対応は、「絶対に評価を高くしなくてはいけない」とする一方で、「摂食障害」については、新たな評価を行うことに疑問を呈した。
 邉見委員はこれに対し、「摂食障害」の治療には「かなり手間がかかる」と説明したが、嘉山委員は「(評価には)優先度がある」とし、「摂食障害」の治療にどのくらいの手間がかかるのか、エビデンスの提示を求めた。

【中医協】精神病棟入院基本料、「13対1」新設で合意
http://www.cabrain.net/news/article.do?newsId=26188

■強度行動障害やアルコール依存症などで3加算を新設

 専門的な医療の提供が必要な疾患への入院医療体制を評価するため、来年度の報酬改定では、「強度行動障害入院医療管理加算」「重度アルコール依存症入院医療管理加算」「摂食障害入院医療管理加算」の3加算を新設するとともに、「児童・思春期精神入院医療管理加算」の点数を引き上げる。

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