心理学的剖検データベースを活用した自殺の原因分析に関する研究
http://www.ncnp.go.jp/nimh/keikaku/kisochousa/pdf/1003193.pdf
- 飛び降りは若年層に顕著で、学校教育年齢における衝動性制御能力の獲得が自殺予防につながる可能性がある。
- 有職者では死亡時点に罹患していたと推測される精神障害としてアルコール使用障害が多く認められた。
- 死亡前1年間に精神科もしくは心療内科の受診歴があった者(精神科受診群)の割合は、50%。
- 受診群のうち57.8%もの者が自殺時に治療目的で処方された向精神薬を過量摂取。
(4) アルコール問題からみた検討
死亡1年前にアルコール関連問題を抱えた自殺事例には、40代と50代を中心とした中高年男性かつ有職者という特徴が見られ、さらに、習慣的な多量飲酒、自殺時のアルコールの使用、事故傾性、死亡時点の返済困難な借金、アルコール依存・乱用の診断が可能な者が81%に認められるといった特徴が認められた。また、アルコール関連問題の有無で、自殺前の精神科受診歴に差はなかったものの、アルコール関連問題を標的とした治療・援助を受けていた事例は皆無であった。
また、これも別のニュースで取り上げられていた厚生労働省の自殺調査です。こちらは統計データ(厚生労働省の人口動態統計と警察庁の自殺統計)を集約したもの。
人口動態統計に基づいた自殺の特徴に関する分析
http://ikiru.ncnp.go.jp/ikiru-hp/pdf/1003301.pdf
- 無職者(失業者、非労働力人口)の自殺死亡率は、有職者と比べて高い。
(国勢調査によると男性の無職者は全年齢で増加傾向、女性の無職者は減少傾向) - 男性の職種による自殺死亡率の差
農林漁業職・サービス職は以前から高く、さらに上昇した。
専門・技術職、管理職は以前は低かったが、近年上昇した。
保安職、運輸通信職でも同様。
事務職、販売職、生産工程・労務職については上昇は見られない。
女性については際だった傾向がない。 - 有配偶者の自殺死亡率は比較的低い。
死別・離別した者や、壮年の未婚者は、自殺死亡率が高い。
中でも配偶者と離別した男性の自殺死亡率が特に高い傾向がある。
配偶者と離別した無職者の自殺死亡率は多くの年齢階級で最も高い。 - 季節別にみると、春に最も多く、冬には少ない。
- 月末・月初や連休明け等の日が多い。
有名人やいじめによる自殺、無理心中等に関する大きな事件があった直後等に連続して発生
自殺者数「3月の月曜日」が最多 年度末と週初め重なり
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY201003300462.html (魚拓)
http://www.asahi.com/national/update/0330/TKY201003300462_01.html (魚拓)
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