難しい依存症治療 病院、仲間...社会との繋がり必要

【健康】難しい依存症治療 病院、仲間...社会との繋がり必要
http://sankei.jp.msn.com/life/body/101005/bdy1010050717001-n1.htm魚拓

 元俳優の清水健太郎被告(57)やタレントの田代まさし容疑者(54)など薬物事件の"再犯"が目立つ。背景にあるのは「依存症」という病だ。薬物のほか、飲酒運転などにつながるアルコール依存症、性犯罪につながる性依存症など、依存症が原因で罪を犯すケースは珍しくない。社会の中で、いかに依存症を克服していくかはまだ手探りだ。

 ◆社会でのケア必要

 「刑務所でせっかく矯正プログラムを受けても、出所したらそこで終わり。依存症は『完治』が難しい。だから再び同じ犯行に及ぶことがある」と語るのは、依存症などの精神医療治療を行う「新大塚榎本クリニック」(東京都豊島区)の斉藤章佳(あきよし)・精神保健福祉士(31)だ。

 同クリニックでは平成18年5月から、性犯罪者や性依存症の患者による回復プログラムを始めた。

 性犯罪の引き金を分析し、どうやって回避するかを自ら考える「認知行動療法」に加え、性犯罪で服役中の受刑者と手紙のやりとりも。プログラムに参加している患者間で手紙を回し読みすることで、それぞれの立場によって異なる"気づき"があるという。

 「元受刑者にとっては、自らの体験を思いだすことで犯罪を繰り返さないというストッパーになる」

http://sankei.jp.msn.com/life/body/101005/bdy1010050717001-n2.htm魚拓

 プログラムが始まって4年になるが、現在までに再犯した患者はいない。

 「刑務所や保護観察所などを出た後、同じ悩みを抱えた人たちによる『自助グループ』や病院などの治療機関につながる人は少ない。地域の中でどう再犯を防ぐかが課題だ」と斉藤氏。今月8日には、施設と地域の連携をテーマに捜査関係者や矯正施設などの専門家も招いて講演会を行う。

bdy1010050717001-p1.jpg
 ◆「回復」アピール

 あいにくの雨模様となった9月23日、東京・新宿で依存症や躁鬱(そううつ)病などからの「回復」をアピールするパレードが行われた。自助グループや家族の会のメンバーなど約350人が回復を喜びながら行進した。

 準備委員会の笹井健次委員長(47)には、アルコール依存症に苦しんだ経験がある。「自助グループで仲間と励まし合い、今日を迎えられた」と話す。

 「自分は病気であること、依存症は恥ずかしくないこと、まず自分自身の偏見を取り除くことが重要」と笹井さんはアドバイスする。恥ずかしさを取り除けば自助グループにつながることもできる。

http://sankei.jp.msn.com/life/body/101005/bdy1010050717001-n3.htm魚拓

 「依存症は完治しないといわれている。確かに生き方や考え方を根本的に変える必要がある」と笹井さん。だが、患者たちに「回復」の希望を訴えることも必要だ。

 「私たちは『本人が以前より良くなったことを喜べるなら、それが回復』としている」と語る笹井さん。社会の無知と偏見を取り除くのは回復者の責任として、来年以降もパレードを続ける方針だ。(道丸摩耶)

【用語解説】依存症

 ある一定のものやできごとに執着し、やめられない状態をいう。アルコール、薬物、ニコチンなどの「物質」、ギャンブル、セックス、買い物などの「行為」、恋愛や暴力などの「関係」への依存などがある。治療が難しく、同じような状況におかれると再び症状が出ることも多いため、完治が難しいとされる。専門家の下で治療を進めるだけでなく、同じ症状に苦しむ仲間による「自助グループ」が回復の助けになるといわれている。

月別 アーカイブ

Powered by Movable Type 5.2.10