児童虐待を考える 第1部

【児童虐待を考える】
http://sankei.jp.msn.com/etc/100526/etc1005262110000-n1.htm

2010.5.26 00:00
 平成12年に児童虐待防止法ができてから10年。子供への虐待は増え続けている。なぜ、わが子を傷つけてしまうのか。虐待は子供にどんな「傷」を残すのか。われわれ社会にできることは何か。原点に立ち戻って考えてみたい。

第1部 なぜわが子を傷つけるのか(全5回)

http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100413/crm1004131833018-n1.htm

 わが子を虐げてしまうのはなぜか。専門家の間では、虐待を引き起こす親には4つの要素がそろっていることが指摘されている。
 「多くの親に子供時代、愛された体験がないこと」
 「経済不安や夫婦不和、育児負担など生活にストレスが累積していること」
 「心理的、社会的に孤立していること」
 「望まぬ妊娠や育てにくい子など、親にとって意に沿わない子供であること」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100413/crm1004131833018-n2.htm
(虐待の)連鎖は減らせる

 子供時代に虐待を受けて育ち、やがて自分も親になったとき、わが子を虐待してしまう-。虐待の「世代間伝達(世代間連鎖)」と呼ばれ、虐待する親の3割に当てはまるといわれる。
 頼るべき親から踏みにじられ、自分がかけがえのない存在だという「自己肯定感」を持てずに育った結果、わが子さえ肯定できなくなる母親。親から「しつけ」と称して暴力を振るわれ、自分が親になったときにも暴力でしか問題を解決できなくなる父親たち...。
 茨城大学の数井みゆき教授(49)=発達心理学=は「虐待は、外部が何も介入しなければほぼ確実に連鎖する。3割にとどまっているのは、多くの人が成長の過程で、外部の大人たちから自然にさまざまな援助を受けているからだ」と指摘し、こう述べた。
 「ならば、適切な援助により連鎖は減らせるし、早期にきちんと介入すればゼロにもできる。それをしないのは社会の怠慢、ネグレクトというほかない」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100414/crm1004141738021-n2.htm
例外でない存在

 虐待を引き起こす4つの要素として、子供時代に愛された体験がないこと、生活ストレス、孤立、親の意に沿わぬ子であることが指摘されていることを前回紹介した。だが、山梨県立大学の西沢哲教授(52)=臨床心理学=は「4要素では説明がつかない、加虐性が強く了解不能な虐待がここ3~4年、無視できなくなってきた」と指摘する。
 西沢さんは埼玉県蕨(わらび)市で4歳の次男が「お水を下さい」と哀願しながら衰弱死した事件をあげた。「食事を与えず、目の前でわが子が衰弱死していくのを受け入れる親の心理は了解不能なものだ。いったい何が起きているのか。むろん人類として全く例外的な存在なら理解する必要はないが、どうも例外ではないようなのです」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100414/crm1004141738021-n3.htm
「心の闇」解明必要

 精神科医の斎藤学さん(69)は「『しつけをしただけ』と言い張る虐待と、まるでペットを残虐に扱うかのような虐待は異なるもので、一線を画すべきだ。『しつけ虐待』は家族の枠組みの中で起きる一方、家族の枠組みが崩壊したところで起きてしまうのが『ペット虐待』だ」とみる。
 一方、西沢さんは「正直に言って分からない。殴るけるのような発作的なものではなく、いわば慢性的な加虐性がどこから生まれてくるのか。それを理解するためには、われわれは親たちを断罪するのではなく、親たちと向き合わなければならないと思う」と話す。
 ごみ箱窒息死事件の法廷。理香被告への被告人質問では、女性検察官が「あなたは働いていませんでしたよね」と尋ねたところ「家で働いていますよ」と反論したり、「私は母親です」と反発する場面があった。対決姿勢に終始してしまい、「心の闇」の解明まではたどり着かなかった。
 西沢さんは「現在の司法システムはそうした心理を理解するには十分ではない。今、社会で起きている重大な変化を理解し、虐待に苦しむ子供と親を援助するために、司法は別種の社会的責任を果たす時期にきている」と訴える。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100415/crm1004151959028-n3.htm
貧困との悪しき関係

 児童相談所の嘱託医を20年以上務める丸田さんが最近気になるのは、貧困と虐待の悪(あ)しき関係だという。
 数年前、一時保護施設へ身を寄せた中学2年の少女がいた。
 母親は夫の家庭内暴力(DV)に耐えかねて、少女が小学4年のときに離婚した。生活保護を受けるようになったが、半年もすると母親は外出が増え、娘の食事をまったく作らなくなったという。
 「生活保護を受けている母子家庭には保護費をねらって男が群がる。母親は男と遊び回り、子供が邪魔になってネグレクトする。男が同居すると男の子ならけ飛ばされ、女の子なら性的虐待が始まる。親の貧困は解消されるが虐待は複合してひどくなる。こうしたケースが今、ものすごく増えている」と丸田さん。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100416/crm1004161941019-n2.htm
援助必要な家族とは

東京都江東区の小児科医で、社会福祉法人「子どもの虐待防止センター」前理事長の坂井聖二さん(享年59)

 《虐待という問題の存在を否認し、援助を拒否し、援助者を遠ざけ、援助者に攻撃的にさえなる家族こそ、真に援助を必要としている家族である》
魚拓など
http://chatterie.exblog.jp/15391308/

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