2011年3月アーカイブ

怒りのコントロール、「善意ある祈り」が効果的=調査
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-20221820110324魚拓

 [ニューヨーク 23日 ロイター] アメリカの科学者らが行った調査で、怒りを和らげるには、信仰の有無に関わらず善意を持って祈ることに効果があることが分かった。パーソナリティ・アンド・ソーシャルサイコロジー・ブレティン(電子版)で発表された。

 共同で調査を行ったオハイオ州立大学のブラッド・ブッシュマン教授は「人が怒りをコントロールするのに祈りに効果があることが分かった。おそらく(祈ることによって)怒りの元となった現象を違う観点から見直し、あまり個人的なものとして受け止めないようにすることができるのだろう」と述べた。

 調査では最初、米大学の学生53人を対象に怒りや気持ちの落ち込み、緊張、疲労、気力などの感情のレベルを測る質問を行い、次に怒りの反応を誘発するような状況下に学生を置いた。その後、学生にがん患者についての新聞記事を読ませ、無作為に選んだ一部の生徒には患者のために祈る、または思いを寄せるよう求めたところ、患者のために祈った生徒の怒りのレベルが低下したという。

 また、ブッシュマン教授がミシガン大学のライアン・ブレムナー氏などと実施した別の研究でも、同様の結果が得られたという。
井出草平の研究ノート:[発達障害]AD/HDは境界性パーソナリティー障害のリスクファクターなのかもしれない
http://d.hatena.ne.jp/iDES/20090828/1251483029魚拓

田中聡「境界性パーソナリティ障害の形成メカニズム」『精神治療学』24(8)にAD/HDと境界性パーソナリティー障害の関係についての文献障害紹介があった。両者は関係があるという報告があるとのこと。

成人のAD/HDの37%に境界性パーソナリティー障害がみられたという報告がある。下記のAnckarsaterらの研究である。相互影響についての論考はされていない。

  • Anckarsäter H, Stahlberg O, Larson T, Hakansson C, Jutblad SB, Niklasson L, Nydén A, Wentz E, Westergren S, Cloninger CR, Gillberg C, Rastam M., The impact of ADHD and autism spectrum disorders on temperament, character, and personality development. Am J Psychiatry. 2006 Jul;163(7):1239-44.
    http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16816230
また、Philipsenらの研究では、境界性パーソナリティー障害の女性の41.5%に児童期のAD/HDの既往がみられ、16.1%は成人AD/HDの診断がつけられるという。

境界性パーソナリティー障害の診断基準のうち,第8項目(怒りの制御の困難)と第9項目(ストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離性症状)が児童期のAD/HDの既往と相関が高いことが示されている(後方視的研究)。因果関係に関する考察はない。

  • Philipsen, A., Limberger, M.F., Lieb, K. et al., Attention-deficit hyperactivity disorder as a potentially aggravating factor in borderline personality disorder,The British Journal of Psychiatry (2008) 192: 118-123.
    http://bjp.rcpsych.org/cgi/content/abstract/192/2/118
因果関係の解釈がされていないということなのだが、原田(1999)「DBDマーチ」の概念が役立ちそうである。
dbd-march.jpg
  • 原田謙,1999「注意欠陥/多動性障害と反抗挑戦性障害が合併した病態に関する研究」『児童青年精神医学とその近接領域』40(4) pp.358-368
    http://ci.nii.ac.jp/naid/10012179560
DBDマーチという概念は「AD/HD」+「反抗挑戦性障害」(ODD)を持った児童が、「行為障害」(CD)と発展し、さらに「反社会的パーソナリティ障害」(ASPD)へと発展することを「マーチ」に喩えた表現である。DBDマーチは以前に入れたAD/HDが非行・犯罪へのコミットをするリスクがあるという研究のエントリを包括的に理解できる概念である(参照)(参照)。

反社会性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害は診断基準が異なるものの、クラスターB(=陽性のパーソナリティ障害)という共通点がある。つまり、表にハデに現れる形でのパーソナリティ障害であるということだ。ものすごくざっくり言ってしまうと、反社会性パーソナリティ障害の方は暴力行為の発現に関係しているので「男性的」であるが、境界性パーソナリティ障害の方は対人関係(関係性)の問題であるため「女性的」である。Philipsenらの研究が女性のAD/HDと境界性パーソナリティ障害の間の相関の高さを示しているのも、おそらく性別による表現の違いが関係しているのだろう。

遺伝子的にAD/HDの負因を持っていたとしても、育っていく環境の中で、現れ方は異なってくる(文化的要因)。AD/HDの後々の影響は社会的な環境やジェンダーによって異なってくるのかもしれない。

英国史上最年少、3歳のアルコール依存症患者
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2790711/6962598魚拓

【3月16日 AFP】英保健当局は14日、3歳の幼児がアルコール依存症と診断されたと発表した。同国史上、最年少のアルコール中毒患者とみられる。患者の個人情報の守秘義務にもとづき、この3歳児に関する詳細は明らかにしていない。

 英国民医療制度(NHS)によると、イングランド中部で2008年から10年の間に12歳未満アルコール中毒例は、この幼児を含めて13人いるという。

 同日には、主要健康推進団体が、酒類暴飲や未成年者の飲酒防止を酒造会社に誓約させることなどを含む取り組みについて、政府の指導力不足を激しく非難した。英国医師会(British Medical Association、BMA)やアルコール乱用防止に取り組む政府機関Alcohol Concernは、保健省はアルコールに関する政策について酒造会社の言いなりになっていると指摘。これらの対策は的確でも達成可能なものでもないと批判した。

地震

最初は風邪がぶり返してめまいがしたのかと思いました。低周波の振動で、震度2程度だったでしょうか。

すぐ気象庁の地震情報のページを見ると、宮城県が真っ赤に塗りつぶされています。しかし、遠くの地震だから・・・とそのまま仕事を続けました。

きっと回線輻輳で届かないとは思いつつも、仙台の知人のケータイにメールを打ってみました。

しばらくして本社(神奈川県)に用事があって電話を掛けてみると、予想外に大変な状態のようでした。地震でものが倒れ、壁にヒビが入り、停電。社員全員外に避難して、収まったので戻ってみたらまた余震で揺れたので、電話番を残して残りはまだ外にいる、という話でした。

ケータイにメールがプッシュされて来ないので、いちいち新着メールの問い合わせをしなければならない状態。そんなかで、仙台の知人から無事を伝える返信がありました。

本社で本日定年退職する人の送別会は中止というメールが届きました。可哀想に。いや、それどころか関東でもJR・私鉄とも止まって帰宅難民化しているらしい。

東京のクリニックに受診に行ったスポンシーからは、今日は帰れないとメールが来ました。帰宅難民が溢れそうなので、すぐに宿泊場所を探すようにメールを送りました。

職場にテレビはありませんが、ネット上の親切な人がユーストリームにNHK総合をリレー中継してくれていたので、それを見ていました。画面では津波が田畑を渡り、家屋を押し流し、走っている車を飲み込む・・・寸前で画面が切り替わりました(夜のニュースでは車が飲み込まれるシーンはカットされていましたが)。

東北地方にも知人が何人かいるものの、安否は不明です。関東近辺の知人は、苦労しながら帰宅の途上にあるようです。こちらは、普段通りホームグループのミーティングを済ませてから帰宅。

あちこちの津波の映像、気仙沼の火事の映像などが繰り返し流されています。

「阪神大震災の後のように、心理学や精神医学の関心がPTSDに集まるようになるのかもしれない」

そんな言葉が漏れていました。

これから何にどんな影響が出てくるのだろう・・・。そんなことを考えてばかりいます。

飲酒する子どもの多くは家庭で酒を入手

飲酒する子どもの多くは家庭で酒を入手
http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20110224hk001hk魚拓

 米国では、12~14歳の少年のうち約70万9,000人がビールや蒸留酒などのアルコールを飲んでおり、多くは親や保護者から酒類を直接与えられていることが、米国薬物乱用・精神衛生管理庁(SAMHSA)による調査で明らかになった。

 SAMHSAのPeter Delany氏によると、12~14歳の少年の約5.9%が過去1カ月間にアルコールを摂取しており、そのうち約45%が家庭で酒を入手していた。約15%は許可なく酒を持ち出していたが、15.7%は親や保護者から、14%はその他の親類からから直接受け取っていたという。保護者が子どもにアルコールを与える理由は不明だが、未成年の飲酒による問題を防止するためには、まず家庭から取り組む必要があるとDelany氏は指摘し、家にある酒類は厳重に管理し、子どもにはいっさい与えないよう呼び掛けている。

 同氏によると、15歳未満で飲酒をすると、成人後(21歳以降)にアルコールやその他の薬物による深刻な問題を経験するリスクが約5倍となるという。米国アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)によれば、年間約5,000人の未成年者が、飲酒が原因で転落死、焼死、溺死している。また、未成年での飲酒は学業不振、危険な性行為や薬物使用にもつながるという。今回のデータは、12~14歳の少年4万4,000人が回答した2006~2009年の「薬物使用と健康に関する全国調査(NSDUH)」からのもので、全米各地のさまざまな社会経済的グループの家庭を対象としている。

 米ジョンズ・ホプキンス大学(ボルチモア)ブルームバーグBloomberg公衆衛生学部准教授のDavid Jernigan博士は、飲酒は "クール(かっこいい)"と子どもに思わせるような酒類業界の宣伝方法にも大きな責任があると指摘し、広告の対象を制限すべきであるとの考えを述べている。

原文
http://consumer.healthday.com/Article.asp?AID=649993 (魚拓)
http://megalodon.jp/2011-0224-1930-31/consumer.healthday.com/Article.asp?AID=649993
Many Kids Who Drink Get Liquor From Home: Report
Almost 6% of 12- to 14-year-olds drink, and many get booze from a parent, experts say


「むちゃな飲み方をしたくなる」欲求とかかわる遺伝子を特定
http://gigazine.net/news/20110302_binge_drinking_gene/魚拓

「Binge Drinking(ビンジドリンキング)」というのは、飲み始めて2時間で血中アルコール濃度0.8%(質量濃度)に達するような「むちゃ飲み」「大量飲酒」のことで、いわゆる「コール」がかかる学生の飲み会のようなペースの飲み方。「毎日コンスタントに飲む」「飲むのをやめると離脱症状が出る」というアルコール依存症とは違いますが、特に若い世代に多い「毎日は飲まなくても週1回仲間と大騒ぎして二日酔いになるほど飲む」というような「ビンジドリンキング」の習慣は深刻な健康リスクとなり得るうえ、交通事故や犯罪などにもつながりかねません。

メリーランド大学医学校の研究により、この「ビンジドリンキング」にかかわる2つの遺伝子が特定され、飲酒問題への新たなアプローチにつながると期待されています。

詳細は以下から。

University of Maryland School of Medicine Study Identifies Genes Associated With Binge Drinking
http://somvweb.som.umaryland.edu/absolutenm/templates/?a=1468魚拓

アメリカでは現在、飲酒人口の30%が「飲み過ぎる」習慣を持ち、年間7万5000人が「過度の飲酒」が直接的・間接的な死因となって死亡しているそうです。

アルコール依存の治療法としてはアメリカではNaltrexoneやAcamprosateといった「渇望」をおさえるための薬のほか、離脱症状を抑えるためにジアゼパムやクロルジアゼポキシドといった抗不安薬が処方されるケースが多いとのことですが、抗不安薬は断酒による不安感などを抑える効果があるもののアルコールへの「渇望」を抑えることはできず、抗不安薬自体に依存性があるという問題もあります。遺伝子治療は現在の薬物療法や心理療法にかわる新たなアプローチとなり得ると期待されていますが、それにはまずターゲットとする遺伝子の特定が必要です。

University of Maryland School of MedicineのHarry June教授らは、「ビンジドリンキング」の習慣をつけたラットの脳のGABA受容体とTLR4(Toll様受容体4)という2つのレセプターを操作することで、「選択的かつ大幅な」ビンジドリンキングの減少(2週間にわたりアルコールへの興味を失う)を確認したそうです。論文はProceedings of the National Academy of Sciences誌に掲載されています。

GABA受容体は神経伝達物質であるGABA(γ-アミノ酪酸)と結合するタンパク質で、GABAに反応しニューロン活動を抑制する抑制性受容体として働きます。アルコールはこのGABA受容体と反応するアゴニストであるため、お酒を飲んだときの「落ち着いた気分」や「多幸感」をもたらし、これが「報酬」となり大量飲酒を助長するのです。

TLR4は、これまで主に脳の神経炎症にかかわる先天性の免疫受容体だと考えられ、脳で炎症の修復に関与する小膠細胞と結びつけられてきました。このTLR4と大量飲酒の関係が明るみに出たのは今回の研究が初めてで、TLR4はGABA受容体の神経伝達において重要な役割を担っているのではないかと示唆されるそうです。

では具体的にどうやって実験を行ったかというと、June教授は同大学の薬理学・実験治療学・微生物学・免疫学の教授Laure Aurelian博士の協力を得て、ヘルペスバイラルベクター(不活性化した単純ヘルペスウイルスにsiRNAを組み込んだもの)に特定の遺伝子情報を運ばせ「酒飲み」のラットの脳へ直接送り込み遺伝子発現を抑制するという手法をとりました。

まずGABA受容体の中でもGABRA2(GABAA受容体α2)というサブユニットの発現を抑制するベクターを扁桃体の中枢神経に送り込んだところ、GABRA2の抑制およびGABAA受容体密度の低下とTLR4の抑制が見られるとともにラットのビンジドリンキングは抑制され、TLR4の発現を抑制するベクターでも同様に酒を飲まなくなる効果が見られたそうです。どちらのベクターでもショ糖摂取量には影響はありませんでした。一方、GABRA2・TLR4どちらのベクターも腹側淡蒼球へ送り込んだ場合は飲酒抑制効果は見られなかったとのこと。

今回の結果を受けて、ヘロイン中毒の治療に使われるメタドンのように、近い将来GABA受容体やTLR4に働きかける薬物が人間のアルコール依存の治療に使われるようになる可能性があるようです。また、ビンジドリンキングにおけるTLR4の働きをさらに調査し、その結果次第でGABA受容体とTLR4の双方もしくはTLR4のみをターゲットとした新たな治療法が登場することが期待されています。

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