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kyupinの日記:リストカット痕の治療について

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kyupinの日記:リストカット痕の治療について
http://ameblo.jp/kyupin/entry-11360095989.html魚拓

テーマ:境界型人格障害

過去ログに「現在、受け持ちの患者さんでリストカットがある人が1人もない」と言う内容を書いたことがある。

これは初診患者さんにリストカットがあったとしても、速やかに消失するためである。

現在もリストカットの人は1名もいない。

リストカット痕は見た目が悪いこともあり、本人が希望すれば、皮膚科の治療を受けるように勧めている。この治療は自費である(当たり前)。

自費の場合、医院により医療費が決められる。一般的な医療費は知らないのだが、僕の患者さんの話では1回に1万円らしい。(幅があるのではないかと)。

過去にリストカット痕の皮膚科治療を受けた人は、リストカットが再燃した人が1名もいない。

一方、リストカットがいったん終息して、かなり時間が経ち、再びリストカットする人は非常に稀だが存在する。そういう人はその時の病状がかなり重いことが多い。また、再発するような人は以前のリストカット痕の治療をしていない。

このようなことから、精神疾患に伴うリストカットは治療反応性が高く、しかも寛解ではなく、その所見に限れば治癒する確率が非常に高いことがわかる。

過去にリストカットの皮膚治療を受けた人は全員就労しているので、そのレベルに達する人は社会適応も高いのではないかと思われる。

これは「リストカット痕を消そうと思うこと」が、「社会適応に深く関係している」と言う意味である。リストカット痕が生々しくても全く気にならない人はそれはそれで問題を内包している。

社会適応が良い理由の1つは、自分だけでなく相手の立場になって考えてリストカット痕の治療を行っているからであろう。つまり想像性や心の理論に関係している。

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