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こころを救う:睡眠薬処方問題 再発に不安、減量できず 医師多忙、指針不備も拍車
http://mainichi.jp/select/wadai/kokoro/archive/news/2010/08/20100813ddm041040037000c.html魚拓

 過去最大規模のレセプト調査で、4年間で睡眠薬の処方量が3割増え、長期服用者の約7割で薬が減量されていないなど、処方後の対応が立ち遅れている現状が明らかになった。調査を担当した国立精神・神経医療研究センターの三島和夫精神生理研究部長は「精神科診療所などは外来に追われており、時間のかかる減量が後手に回っている可能性がある」と指摘する。【堀智行】

 三島部長らの研究班は、医療機関で向精神薬処方がどの程度減量されているかを詳細に分析するため、約30万人のレセプト調査に加え、秋田大付属病院のうつ病の患者約160人に対する約3年間の処方を調査。発症時と再発前後で抗うつ薬と睡眠薬の平均処方量の変化を比較した。

 調査結果によると、うつ病が治っても、再発予防のためや、患者が不安を訴えたりすることを理由に抗うつ薬と睡眠薬を処方し続け、再発を繰り返すたびにさらに薬が増えるケースが多かった。

 減量が進まない背景には、関連学会や厚生労働省研究班などで作成した診療ガイドラインの不備や多忙な精神科診療所の現状がある。診療ガイドラインは向精神薬の使用期間の目安や長期服用のリスク、減量方法までは記載していない。また多くの患者を抱える診療所などでは1人にかけられる時間は限られ「減量は手間がかかるうえ、減量した場合の診療報酬上の手当てもないため対応が遅れがち」(三島部長)という。

 こうした状況に、三島部長は他科医や薬剤師との連携強化を訴える。高齢化が進み、内科などのかかりつけの医師が向精神薬を処方するケースが増えていることを踏まえ「治りにくい場合はかかりつけ医が患者に精神科医を紹介する仕組みの普及が必要」という。また「薬剤師が患者から薬に関する相談などがあれば、医師に情報提供するシステムを整備すべきだ」と指摘する。

 三島部長は「診察室ですべて診るのは無理がある。孤立無援の医療では患者のデメリットも大きい。チーム医療や減薬に関するガイドラインの策定が急務だ」と話した。
睡眠薬処方:4年間で3割増 厚労省、初の指針策定へ
http://mainichi.jp/photo/news/20100813k0000m040113000c.html魚拓

 医療機関が処方する向精神薬のうち、患者1人に出す睡眠薬の1日分の量が05~09年の4年間で3割増えたことが、厚生労働省研究班による過去最大規模の約30万人への調査で分かった。処方された患者の約3割が4年後も服用を続け、このうち薬が減っていない人は約7割に上ることも判明。調査担当者は「投与後の効果の見極めが十分でないため、漫然と処方されている可能性がある」と指摘する。厚労省はデータを基に睡眠薬の投与や減量の方法を定めた初のガイドライン策定に乗り出す。

mainichi20100813.jpg 調査は国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)の三島和夫・精神生理研究部長らの研究班が実施。複数の健康保険組合に加入する約30万人を対象に、05年以降の各年4~6月の診療報酬請求明細書(レセプト)を基に向精神薬の処方実態を調べた。

 調査によると、05年に睡眠薬を服用していた患者の1日分処方量の平均と09年の平均を比べると3割増加。また05年の患者4807人のうち、4年後には約3割にあたる1312人が睡眠薬を飲み続けていた。飲み続けた人の4年間の処方量の変化は▽「増えた」52%▽「変わらない」16%▽「減った」32%。減量されていない患者が68%に上った。

 向精神薬全体については05年から2年間を調査した結果、05年に1回以上処方された人は1万426人だったが、07年は約1・2倍の1万2290人に増えた。不安や緊張を抑える抗不安薬と睡眠薬は年齢が高いほど処方される患者の割合が増加。65歳以上の女性では、05年は10%が処方を受けていたが、07年には14%に増えた。

 処方診療科は、抗うつ薬と主に統合失調症の治療に使う抗精神病薬については精神科が6~7割。抗不安薬と睡眠薬は精神科が4割にとどまり、内科、整形外科などの一般身体科が半数以上を占めた。

 三島部長は「重篤な症状のために長期間服用しなければいけない患者もいるが、効果が乏しいまま向精神薬が処方されているケースが多いのではないか。心身にも影響が出る恐れがあり、処方が適切か医師は定期的に確認し減量を検討することが必要」と指摘する。【堀智行】
こころを救う:患者の視点で「精神科マップ」 仙台・自死遺族の自助グループ代表
http://mainichi.jp/select/wadai/kokoro/archive/news/2010/08/20100803ddm012040112000c.html魚拓

 ◇長男への思いに押され

 どこの精神科にかかればいいのか迷う患者は多い。肉親を自殺で失った遺族同士が支え合うグループ代表で仙台市の主婦、田中幸子さん(61)は遺族らから寄せられた情報を基に、市内の地図とファイルに治療内容を記録し続けている。「こころのマップ」と名付けた。「あの子のために何かをしなければ」。亡くなった長男への思いが、母を突き動かしている。

 警察官の長男健一さん(当時34歳)はめまいがやまず、仕事のストレスもあって精神科診療所に通院していた05年11月、命を絶った。田中さんは食事はおろか、水さえ口にしたくない。見かねた次男に勧められ、福島市にある遺族の自助グループの会に夫と参加した。だが、仙台に同様の会はない。自ら「藍(あい)の会」をつくった。

 夜中も枕元に携帯電話を置く。ホームページなどに載せた電話番号を見て遺族らが相談を寄せてくるからだ。自殺前に精神科を受診していた人が多いことに気づいた。しかも特定の病院や診療所が目立つ。「強い薬多量」「患者とのトラブル多し」......。仙台市の地図に赤い丸印で医療機関を示し、ファイルに治療内容と「○」や「×」の評価を書き込む。

 医学的な信頼度は高くないかもしれない。公表もできない。でも、患者のために役立てられないか。精神科は情報や評判があまり聞こえてこない。マップを基に「患者から見たいい医師の条件」をまとめて冊子を作ろうと計画している。

 田中さんは宮城県の自殺対策推進会議のメンバーも務めている。自殺予防につながると思えば、精神医療の批判もした。「素人に何が分かるのか」と反発された。だが熱意が伝わり、精神科医から「手伝えることはありませんか」と連絡が来るようになった。



 息子を思い、毎日涙がこぼれる。なぜ救ってやれなかったのか。どうして「母ちゃん、助けて」と言ってくれなかったのか。それでも田中さんは自分を奮い立たせる。「自殺問題は健一からの問いかけ。健一に何か返さなきゃ」

 藍の会を設立してこの夏で4年。藍は長男が着ていた制服の色だ。【奥山智己】
藍の会 仙台わかちあいのつどい
http://ainokaisendai.web.fc2.com/

社会との結びつきが強いと、生存率が50%高い。
http://blog.livedoor.jp/ytsubono/archives/51840178.html魚拓

結婚、社会活動への参加、周囲からのサポートなどの社会的結びつきと死亡率との関係を調べた追跡調査148件をまとめて総合評価を行なったところ、社会との結びつきが強いと、弱い場合より、生存する確率が50%高かった。論文はPLoS Medicine電子版に2010年7月27日掲載された。

著者らは、文献検索により、結婚、独居、社会的孤立、周囲からのサポートなどの社会的結びつき(または結びつきの欠如)と死亡率との関係を調べた追跡調査 148件を選び出した。対象者の人数を合計すると308,849人だった。北米の研究が51%、欧州が37%、アジアが11%、オーストラリアが1%だった。対象者の平均年齢は63.9歳、追跡期間の平均は7.5年だった。

すべての研究を合わせると、社会的結びつきが強い場合は、弱い場合と比べて、生存の確率が50%高かった。半面、社会的結びつきの評価方法によって生存との関係の強さは異なり、独居か否かという単純な二分法での評価では関係が弱く(だれかと同居している場合は独居の場合より生存の確率が19%高い)、独居、結婚、社会的孤立、社会活動への参加などを総合的に考慮に入れた評価ではより関係が強かった(社会的結びつきが強い場合は弱い場合より生存の確率が 91%高い)。

著者らは、今回観察された社会的結びつきと生存との関係の強さは、喫煙と生存との関係と同程度で、肥満や運動と生存との関係より強いものだと考察している。

⇒医学や社会科学など多様な分野から文献検索を行い、148件もの追跡調査をまとめて総合評価を行なった点に、研究の意義があるだろう。その結果、周囲からのサポート、結婚、社会活動への参加などの社会的結びつきが、喫煙・肥満・運動などの要因と同程度以上に生存と関係する点を示したことが重要だ。

一方、社会的結びつきの評価方法は研究によりさまざまだった。今後は、より標準化された方法で社会的結びつきを評価し、健康との関係を調べる研究が求められるだろう。

論文要旨
高齢者は人付き合いが大事=孤独な人より生存率1.5倍
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010080200026魚拓

 家族や友人、隣人に恵まれた高齢者は、孤独な高齢者に比べ、生き延びる確率が1.5倍も高いと、米ブリガムヤング大などの研究チームが2日までに米オンライン科学誌プロス・メディシンに発表した。孤独であることは、アルコール依存症やたばこを1日15本吸うのと同じぐらい健康に悪いという。

 この研究は、世界で過去に行われた148種類、計約30万8900人を対象とする長期調査をまとめて分析し直した成果。調査期間が平均7年半で、対象者の平均年齢は約64歳。男女ほぼ半々で、地域別では北米51%、欧州37%、アジア11%、オーストラリア1%だった。

 研究チームは、人付き合いがある方が生存率が1.5倍高いというのは、けんかばかりしているような人間関係も含んでのことと指摘。日常的に人付き合いがあることは、心理面だけでなく、体の健康に直接メリットがあるという。
うつ病発症防ぐ脳内分子機能を解明 群大研究グループ
http://sankei.jp.msn.com/science/science/100804/scn1008040854000-n1.htm魚拓

 ストレスを受けた際、特定の脳内分子が反応し、うつ病の発症を防ぐ働きをしていることを、群馬大生体調節研究所・的崎尚客員教授らの研究グループが発見し、4日付の米科学誌「ジャーナル オブ ニューロサイエンス」に発表した。既存の抗うつ剤では効果の表れない患者に適応する新たな治療薬開発につながる可能性があるという。

 的崎教授によると、外部からのストレスに反応していることが分かったのは「SIRPα」といわれる脳内分子。

 研究グループでは、この分子はストレスを受けると細胞内の酵素と結合し、「リン酸化」という化学変化を起こす点に着目。「SIRPα」を取り除いた「ノックアウトマウス(KOマウス)」と通常のマウスのそれぞれに「強制水泳テスト」を行い比較。その結果、KOマウスの脳細胞内では「リン酸化」が起きず、うつ状態を示す無動の時間が増加する結果が出た。

 うつ病を発症する仕組みとしてはこれまで、ホルモンや神経伝達物質の機能異常が指摘され、対応した薬物などが治療に用いられてきた。しかし、薬の効かない患者もおり、発病原因は十分に解明されていない。

 的崎教授は「『リン酸化』を制御できる方法を考案し、自殺の大きな要因にもなっているうつ病対策につなげたい」としている。

こころを救う:向精神薬の過剰処方防止を要望 遺族団体、厚労省に
http://mainichi.jp/select/wadai/kokoro/archive/news/2010/07/20100729ddm012040105000c.html魚拓

 家族を自殺で亡くした遺族でつくる全国自死遺族連絡会(田中幸子代表)は28日、厚生労働省を訪れ、医療機関による向精神薬の過剰処方を防ぐよう求める文書を提出した。

 田中代表は遺族1016人に調査し、約7割が精神科に通院中に自殺していた結果に触れ「精神科の早期受診を呼びかけて受診率を高めるだけではだめで、投薬治療に偏っている今の治療内容を見直してほしい」などと求めた。

 文書を受け取った精神・障害保健課の荒川亮介・心の健康づくり対策官は「過剰処方については問題意識を持ち、具体的な改善策を検討している」と話した。

 この問題をめぐっては、厚労省が6月、向精神薬の過剰処方に注意を促す通知を日本医師会などの関係団体や自治体に出すとともに、省内の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」で過量服薬対策を進めている。【百武信幸】
こころを救う:薬物依存に占める割合、向精神薬「10年で2倍」
http://mainichi.jp/select/wadai/kokoro/archive/news/2010/07/20100728ddm041040074000c.html魚拓

 ◇「自殺リスク周知を」

 薬物依存症患者の中で医師の処方する向精神薬によって依存症になった人の割合が、ここ10年余りで2倍になっていることが、国立精神・神経医療研究センター(東京都小平市)の調べで分かった。依存症患者は自殺リスクが高いとされる。全国でも数少ない薬物依存症の専門治療施設、埼玉県立精神医療センター(同県伊奈町)で現状を取材した。【江刺正嘉】

 医師「お変わりありませんか」

 患者「高校生の長男が進学か就職かで悩み、私によく当たるんです」

 7月中旬、外来を受診した女性(41)と成瀬暢也(のぶや)副病院長(50)の診察室でのやり取りを、双方の了解を得て取材した。

 女性は向精神薬の依存症と診断され、08年7月から5カ月間、センターの依存症病棟に入院。専門治療を受けて少しずつ回復し、今は3週間に1度の通院を続ける。

 「以前なら悩みがあると薬を飲んで紛らわしていたのに、今は人に相談しながら問題に向き合えるようになった。よく頑張っているね」。成瀬医師がほめると、女性は笑顔でうなずいた。

 女性は夫の暴力や浮気がきっかけで眠れなくなり、27歳のころ精神科病院に通い始めた。睡眠薬を処方されたが症状は改善せず、大学病院に転院。「眠れないのでもっと薬を出して」と求めると、副作用が強い睡眠薬など10種類が出されるようになった。

 女性がさらに薬を要求したため、病院は「手に負えない」と別の精神科病院を紹介。転院先の医師は女性の求めに応じ、一日分が約40錠にまで増えていったという。

 女性は薬が増えるにつれて薬が効きにくくなり、すぐに現実のつらさと直面して「死にたい」と思うようになり、処方された薬を一気に飲む自殺未遂を繰り返した。3カ所目の病院でも「薬のコントロールが不能」と判断され、センターを紹介された。

 成瀬医師は「患者はもちろん、医師でも依存症について十分な知識を持たない人が多いのではないか。過量服薬による自殺や自殺未遂を防ぐためには、依存症の危険性をもっと周知する必要がある」と指摘する。

 ◇飲み続けると、効く時間短く

 国立精神・神経医療研究センターは精神科病床がある全国の全医療施設を対象に、87年からほぼ隔年で9~10月の期間にアルコールを除く薬物依存症で入院か通院をした患者について、どの薬物が原因か調査を実施している。シンナーなどの有機溶剤は91年の40・7%をピークに減少。一方、向精神薬(睡眠薬と抗不安薬)は96年に5・6%と最低だったが、じわじわ上昇し08年は13・0%で有機溶剤とほぼ並んだ。最も多い覚せい剤は同年、全体の半分を占めた。

 薬物依存症の専門家によると、向精神薬にはつらさや不安、不眠を軽減する効果があるが依存性のあるものもある。飲み続けると薬が効きにくくなることもあり、気分が安定する時間が短くなる。薬が切れた状態で現実に向き合うのが怖くなり、薬を手放せなくなる。そして次第に精神的に追いつめられ「死ぬしかない」「死んでもいい」と自殺願望が高まる場合があるという。
こころを救う:向精神薬で自殺未遂、診療所は... 人、設備足りず拒否も
http://mainichi.jp/select/wadai/kokoro/archive/news/2010/07/20100724ddm041040102000c.html魚拓

 医療機関で処方された向精神薬を飲んで自殺を図る人が増えている問題で、過量服薬の恐れがある患者への対応は、診療所ごとに大きく異なる。診察を断る診療所がある一方、受け入れても有効な手立てを打ち出せずにいるところは少なくない。患者をどう支えるか。両方の診療所を訪ねた。【堀智行、奥山智己】
 ◇しわ寄せが他の患者に 採算ギリギリまで診察

 「自殺未遂などの問題行動には対応できません」。静岡県の精神科診療所の院長がホームページにこう掲げ開業したのは2年前だ。

 精神科医歴20年。勤務医時代、昼夜問わず患者が担ぎ込まれる救急の仕事はきつかったが、命を預かるやりがいも感じた。だが自殺を図る患者を救っても感謝されず、逆に助けたことを責められた経験もある。「トラブルメーカー。自ら命を絶とうとした人を他の患者と同じように助ける気にはならない」

 今の診療所は看護師もいない。過量服薬する患者を受け入れれば時間も手間もかかる。そのしわ寄せは他の患者へ向かう。「未遂者を誰が責任を持って診るのかという仕組みがない。行政が作るべきだ。私は他の患者をあふれさせてまで、診る気はない」と言う。

   ◇  ◇

 「せんせえ、お薬飲んじゃった」。6月下旬、川崎市の精神科診療所に30代の女性患者から電話がかかった。同僚や夫との関係に悩むたび、過量服薬を繰り返してきた。今回も向精神薬50錠を飲んだという。通院を始めて2年、手を尽くしてきたが過量服薬は止まらない。院長(49)はすぐ救急病院の受診を勧めた。

 都内の精神科病院の勤務医を経て3年前に開業した。1日の患者は約60人。診察時間は長くて40分。患者の訴えを聴き、経営も成り立つぎりぎりのラインだ。自殺未遂後には1時間かけ、話に耳を傾けることもある。再発を防ぐには薬の管理など周囲の協力が欠かせないが、単身者の多い都会では支援者を探すのも容易ではない。薬を出さなければ転院してしまうかもしれない。「『もう診られません』と言うのは簡単だが、断れば他の医師に押し付けることになる」。ジレンマが募る。

 人も設備も足りない診療所で患者をどう支えるか、試行錯誤が続く。7月上旬、30代の女性が再び過量服薬したと連絡があった。
こころを救う:向精神薬で自殺未遂、診療所は... 松本俊彦氏の話
http://mainichi.jp/select/wadai/kokoro/archive/news/2010/07/20100724ddm041040105000c.html 魚拓

 ◇医師支える体制を--国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦自殺予防総合対策副センター長の話

 過量服薬を繰り返す患者に熱心にかかわっても経営的にはマイナスだ。治療をサポートする臨床心理士などを雇えば、人件費捻出(ねんしゅつ)のため、さらに短い時間で多数の患者をさばかなければならなくなる。熱心な精神科医には燃え尽きる人も少なくない。自殺リスクの高い患者と精力的に向き合う医師を支える体制を整える必要がある。
こころを救う:「人数こなさないと経営できぬ」 自殺図る患者、診きれず
http://mainichi.jp/select/wadai/kokoro/archive/news/2010/07/20100713ddm041040160000c.html魚拓

 医療機関で処方された向精神薬を飲んで自殺を図る人が増えている問題で、大量服薬した患者がたびたび救急搬送される東京都内の精神科診療所の院長が取材に応じた。60代の院長は「患者をじっくり診察したいが、人数をこなさないと経営が成り立たない」と話した。そのうえで「医師も患者も現状の治療に満足できていない」と述べ、診療報酬をめぐる国の医療政策を批判した。主な一問一答は以下の通り。【江刺正嘉、堀智行】

 --過量服薬で自殺を図る患者に兆候はありますか。

 院長 分かっていたら手を打つ。やられた後に、しまったということはある。

 --処方する薬の量は多いですか。

 院長 過量服薬することが予想できる人には出さない。そういう患者は(状態をよく見るために)本当は頻繁に診察することが必要だ。週に1回とか。

 --なぜできないのですか。

 院長 (通院患者から症状を聞き、適切なアドバイスをする)精神科の診療報酬が4月から患者1人当たり200円引き下げられた。こんなに安くなると、患者の数をこなさなければ診療所の経営が成り立たない。数をこなすと、1人に対する診察時間が短くなってしまう。「この人にはもう少し話を聞きたい」と思っても、次に患者が待っている状態だ。

 --患者によって違いがある、と。

 院長 治りやすい人も治りにくい人もいる。(今の診療報酬体系では)それを同じように扱わないといけない。厚生労働省はここをまったく無視し、医療費を減らすことばかり考えている。いちばんのしわ寄せは患者に来るんです。

 --自殺を図る患者に本来、どう接すればいいのですか。

 院長 薬の処方以外に、なぜ死にたいのか患者が抱えている問題を一緒に考えながら解決していくことです。それが現状ではなかなか難しい。困難な患者を診る医師への負担ばかりが増えてしまう。
 ◇過量服薬の一因に--国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦・自殺予防総合対策副センター長の話

 今の診療報酬体系では精神科医が1人の患者に時間をかけて話を聞きにくい。短い診察時間だと患者は医師を信頼せず、薬をもらうだけの関係になりやすいため、過量服薬につながる可能性が高まる。じっくり患者の話に耳を傾けることで患者とのつながりを作れる体制を整える必要がある。
こころを救う:薬だけに頼らぬ英国 自殺予防、チーム医療で成果
http://mainichi.jp/select/wadai/kokoro/archive/news/2010/07/20100702ddm012040002000c.html魚拓

 医療機関から処方された向精神薬で自殺を図る人が増えている問題で、海外では精神保健医療改革が有効な自殺対策として注目されている。英国では薬だけに頼らない精神医療を推進し、自殺予防に大きな効果をあげた。専門家は「日本は薬に頼りすぎている。薬を適度に使いながら患者を総合的に支えるチーム医療へ転換すべきだ」と指摘する。【堀智行】

 英国の精神保健医療制度などに詳しい東京都精神医学総合研究所の西田淳志研究員によると、英国が取り組んだ自殺対策の一つは認知行動療法の普及。ものの見方(認知)のゆがみを修正し、不快な感情が起きないようにするという心理療法で、うつ病治療に効果があるとされる。

 英国では、同療法を精神科治療の中心に据え、重症度に応じたケアの仕組みを導入。薬物療法は、極めて症状が重い場合のみ認知行動療法と併用できるようにした。軽症者は医師が診ずに国が開設したインターネットサイトで同療法を受けるため、精神科医がかかわるのは中等度以上の患者からになっている。

 もう一つは地域ケアの充実だ。精神科での治療を中断した直後に自殺している人が多いことに着目し、かかわりが切れないように医師のほか、心理や福祉などの専門家がチームを組み、地域に出て患者をサポートする制度を取り入れた。

 また市販の睡眠薬や鎮痛薬を大量に飲んで自殺を図る若者が相次いだことを受け、1箱当たりの薬の錠数を減らすなど入手の規制にも取り組んだ。処方薬についても、国の研究機関で医療機関向けのガイドラインを作り、単剤少量での治療を順守させた。

 こうした取り組みにより、ブレア政権下の97~07年の10年間で、人口10万人あたりの自殺者数(自殺率)は9・2人(95~97年の平均値)から7・8人(05~07年の平均値)となり、15・2%減少させた。一方、日本の自殺率は07年が24・4人で先進国ではロシアに次いで2番目に高い。

 西田研究員は「日本では医師が薬物療法だけで短時間で診察することに患者は不満を持っている」と指摘。「チーム医療の推進が薬だけに頼らない医療の実現につながる。自殺予防にも効果があるはずだ」と話す。
パチンコ依存症、3割「そう思う」 全日遊連調査
(産経新聞 2004年8月12日)
http://www.sankei.co.jp/news/040812/sha019.htm

 パチンコ店の全国組織「全日本遊技事業協同組合連合会」(全日遊連)が行ったアンケートで パチンコファンの約3割が、自分を依存症だと自覚していることが分かった。アンケートはパチンコファンを対象に全国163の遊技場で4493人が回答した。
 「パチンコ依存症だと思ったことはありますか」の質問に対し、「思わない」との回答が49.3%だったが、その一方で、「思う」が28.9%、「分からない」が19.1%と、依存症を否定できない層が半数近くに上った。また、「期待している初当たりまでの限度額」は「2万円未満」が69.3%と最多。「2万円以上4万円未満」の16・9%と続き、「4万円以上6万円未満」も2.3%。「初当たりまでに投資限度額を超えてしまった場合」は「当たりそうならば続ける」が41.0%に対し「手持ち金による」は21.7%、「やめる」は18.3%だった。パチンコ駐車場の車内に取り残され、熱中症などで死亡した乳幼児が昨年1年間で4人に上る。パチンコファンの約3割が依存症との調査結果を踏まえ業界を挙げて「事故絶対防止」を推進する。



2004年に行われた全日本遊技事業協同組合連合会のアンケートによると,アンケートに協力した全国のホール来店者約4500人のうち30%がパチンコ依存を自覚し,年齢が上がるにつれて自覚者の割合が増加していることが分った。また,借金を重ねパチンコにつぎ込む深刻な依存症の疑いがある人が0.5%存在するという結果も明らかになった。
 『日本経済新聞』 2004年8月16日号。

重し7キロ、縛られ放置 久留米・5歳虐待死事件起訴
http://www.asahi.com/national/update/0722/SEB201007210091.html魚拓
http://www.asahi.com/national/update/0722/SEB201007210091_01.html魚拓

 虐待とアルコールの関係性について、元北九州市児童相談所職員で虐待問題に詳しい西南学院大の安部計彦(かずひこ)准教授は「アルコールの量が増えると、虐待が進行していく傾向がある」と指摘する。「アルコールへの依存の深まりが把握できていれば、虐待の進行を推測できたはず。細かなことでも通報するなど、市民の協力が不可欠だ」と話している。(岡田玄)
ギャンブル依存症回復へ 松本で自助グループ発足
http://www.shinmai.co.jp/news/20100714/KT100713SJI090008000022.htm魚拓

 ギャンブル依存症に苦しむ人たちが、経験や苦しみを語り、共感し合いながら回復を目指す自助グループ「ギャンブラーズ・アノニマス(GA)松本」(松本市)を設立した。県内では長野市の「GA長野」に続き二つ目だが、中南信地方の依存症の人たちが参加しやすくなる。GA松本は「誰にも打ち明けられない悩みを話せて、気持ちが楽になる」と参加を呼び掛けている。

 自助グループに救われた経験を生かしたいという北信地方の40代男性が中心になった。県精神保健福祉センター(長野市)の協力を得て、中南信地方に住む依存症者から出ていた要望を受ける形で6月上旬、GA松本を結成。松本市のあがたの森文化会館で、毎週土曜日の午後7時から2時間ほどの集会を開いている。

 「アノニマス」は「無名性」を意味し、社会的な立場や経歴を離れ、平等に話し合う趣旨を表す。集会では互いを愛称で呼び、プライバシーを守る。回復の道のりなどを書いたハンドブックを読み合わせたり、近況や体験を語る「分かち合い」をしたり。10日は6人が参加。初めて訪れた男性は「宗教みたいなイメージがあって不安だったが、気楽に話ができた」。別の男性も「自分が依存症という病気かもしれないと認識できた」と話した。

 結成の中心となった男性は、20代でパチンコにはまった。借金を抱え債務整理に追い込まれたが「大勝ちして、いつか返せる」とヤミ金融からも借金した。相談した弁護士から「依存症と自助グループ」の存在を聞き、「GA長野」に約2年通って依存症を脱した。男性は「途中で参加をやめたりギャンブルをまた始める人もいるが、人生をやり直すきっかけになる人も多い」と話していた。

 参加無料。東北信地方の人も参加できる。詳細はGA日本インフォメーションセンターのホームページ(http://www001.upp.so-net.ne.jp/ga-japan/)から。ギャンブル依存症に関する相談は県精神保健福祉センター(電話026・227・1810)へ。

産経新聞:気失うまで飲むのが当然だった――増える女性のアルコール依存症
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1006/28/news023.html

女性の飲酒者やアルコール依存症患者が増えている。厚生労働省が行った調査によると、20~24歳女性のアルコール依存症患者数が、同年代の男性を上回った。女性とアルコールの関係について、現在治療中の女性アルコール依存症患者に話を聞いた。

(1/4) 初めて飲んだのは高1のとき
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1006/28/news023.html魚拓
人間関係がうまくいかず、「周りの人がめちゃくちゃな自分を楽しんでくれればいいと思って、酒が強い自分を演じるために飲んだ。
(2/4) 自助グループに参加して治療
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1006/28/news023_2.html魚拓
現在もグループのミーティングに参加するなど治療を行っているが、「もう酒を飲む必要は感じていない。彼氏とも別れた。自分の感情と冷静に向き合えるようになった」。

自分と同世代の若い女性の飲酒や依存症が増えていることについて、「昼間に青空の下で若い女性が酒を飲むようなCMが良くない」と指摘する一方、「若い世代の依存症患者は多くが、小さいころに家庭の問題を抱えている。自分も父親が酒乱で、突然わけも分からずに怒鳴られた。現在81万人依存症患者がいるといわれているが、潜在的にアルコール依存症になる可能性がある若い女性は、もっとたくさんいると思う」
(3/4) 依存のリスク要因は精神的な問題
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1006/28/news023_3.html 魚拓
女性の依存症の増加について樋口氏は、飲酒の機会が増加したことよりも「現段階では、摂食障害などの精神的疾患を抱えていることが原因になっていることが多い。精神的な問題はすべてアルコール依存のリスク要因」と指摘する。
(4/4) 専門家「節度守った飲酒を」
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1006/28/news023_4.html魚拓
ただ、女性の飲酒者の割合がこのままの高さで推移すれば、「依存症になるまで、男性は30年、女性は20年のタイムラグがある」(樋口氏)ものの、「近い将来、女性のアルコール依存症患者はさらに増え、男性に近づく」とみる。

「虐待の背後に親のアルコール依存の問題があるが、まだ国からは見過ごされている」
過量服薬:4都市の救急出動、10年間で2倍 厚労省、実態調査へ
http://mainichi.jp/select/science/news/20100625ddm001040049000c.html魚拓

こころを救う:さまよい12年 うつ病男性、処方200錠で自殺未遂
http://mainichi.jp/select/science/news/20100624ddm041040071000c.html魚拓

こころを救う:さまよい12年 国立精神・神経医療研究センター、松本俊彦氏の話
http://mainichi.jp/life/health/news/20100624ddm041040074000c.html魚拓

こころを救う:患者の力、信じ見守る 処方薬依存、事実伝え治療の道示す
http://mainichi.jp/select/science/news/20100625ddm012040045000c.html魚拓

自殺:「薬の処方、注意して」患者の通院先に書面
http://mainichi.jp/select/science/news/20100627k0000e040032000c.html魚拓

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