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大塚製薬とルンドベック社 減酒薬「nalmefene」(ナルメフェン)の日本における共同開発・商業化を合意 ~『お酒と上手に付き合う』新しい治療コンセプトの提案~
http://www.otsuka.co.jp/company/release/2013/1031_01.html魚拓

大塚製薬株式会社
2013年10月31日

  • 精神疾患の中でも、アルコール依存症は自身の健康を損なうだけでなく、社会的・経済的な影響が大きいとされ、対応が急がれている。現在、日本では治療が必要なアルコール依存症患者さんは約80万人いると推計され※1、アルコールに起因する医療費や労働・雇用に関する損失は1年間で総額4兆円と推定※2
  • アルコール依存症の主たる治療は入院や抗酒薬を用いた「断酒」だが、その治療ゴールの高さが障壁となり継続が困難。「減酒」という新しいコンセプトを持つ「nalmefene(一般名)」(ナルメフェン※3)は、社会復帰を目指す患者さんにとっても継続可能な新たな治療選択肢として期待される
  • この度の契約は、大塚製薬とルンドベック社の統合失調症やアルツハイマー病などのグローバル中枢薬事業(2011年11月締結)に加えて、新たな事業提携となる。大塚製薬は、契約一時金として50百万ユーロ(約65億円※4)をルンドベック社に支払う

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)とH. ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、CEO:ウルフ・ウインバーグ、以下「ルンドベック社」)は、アルコール依存症における減酒薬として「nalmefene」(ナルメフェン※3)を日本で共同開発・商業化することについて本日合意しました。

日本では、社会情勢の変化や高齢化により、うつ病やアルツハイマー病などの精神疾患の患者数はますます増加傾向にあり、その対応が急がれています。中でも、アルコール依存症は自身の健康を損なうだけでなく、社会的・経済的な影響が大きいとされ、直接的な医療コストは1兆円、労働や雇用の損失によるコストは3兆円、総計で年間4兆円に達すると言われています※2。

アルコール依存症でとりわけ問題になるのは、疾患に対する正しい認識の不足や限られた治療選択肢のために、社会復帰への道が閉ざされてしまっていることです。現在、国内には約80万人の治療が必要なアルコール依存症患者さんが存在すると推計されていますが、実際に治療を受けているのは約4万人に過ぎません。これまでの、入院による断酒や抗酒剤の使用以外の治療方法を選択できることによって、治療へのアクセスやアドヒアランスを向上させることが期待できます。

「nalmefene」(ナルメフェン※3)は、飲酒要求時に服用することで、中枢神経系に広く存在するオピオイド受容体を拮抗し、飲酒欲求を抑制する初めての頓用薬としてルンドベック社が開発を進めてきました。『お酒と上手に付き合う』という考え方のもと、減酒を目的とした頓用薬「nalmefene」(ナルメフェン※3)は、社会復帰を目指す患者さんにとっても継続可能な新たな治療の選択肢として期待されています。なお、欧州では「SelincroⓇ」(セリンクロ*3)の製品名で2013年4月から販売されています。

現在、国内では「健康日本21」への取り組みや、「アルコール健康障害対策基本法」の早期成立を目指すことで、多量飲酒者を減少させ、節度ある適度な飲酒を促す動きがあります。「nalmefene」(ナルメフェン※3)は、これらの取り組みに貢献できると考えています。

大塚製薬の代表取締役社長の岩本太郎は、今回の新たな合意について「アルコール摂取が依存的となり止められないことによる健康被害は、日本においても大変重要な課題です。継続できる治療として、飲酒量を減量させるという新しい概念である減酒薬を、我々のグローバル中枢薬事業の一環として日本で展開できることを大変嬉しく思っています」と述べています。

ルンドベック社のCEO兼社長のウルフ・ウインバーグは「日本では、アルコール摂取量の低減という効果的な治療が必要とされながらも実際には行われていません。我々は既にこの製品を欧州17カ国で展開しています。この販売経験を活かして、日本でのパートナーである大塚製薬と一緒にこの薬剤の開発を推進していけることを大変嬉しく思っています」と述べています。

大塚製薬は、ルンドベック社に契約一時金として50百万ユーロ(約65億円※4)を支払い、この一時金に開発・承認ならびに売上達成金を加えると最大で約100百万ユーロ(約130億円※4)をルンドベック社に支払います。ルンドベック社は、日本での開発費を負担し、共同販促の権利を有します。また、日本向けの錠剤バルク生産をルンドベック社が担当します。「nalmefene」(ナルメフェン※3)の国内での臨床第III相試験は、2014年に開始する予定です。

大塚製薬とルンドベック社はグローバル中枢薬事業で、大塚製薬創製の「エビリファイ メンテナ」、「ブレクスピプラゾール」とルンドベック社の「Lu AE58054」を含む3つの化合物を共同開発、共同販売する契約を2011年11月に締結しました。この度の「nalmefene」(ナルメフェン※3)の契約は、2011年の契約とは別途の契約になります。今回の合意に至ったことで、大塚製薬とルンドベック社の協力体制はますます強固なものとなります。両社は今後も世界の中枢神経領域の治療発展を重視してまいります。

※1 尾関米厚、松下幸生、白坂知信、他:わが国の成人飲酒行動およびアルコール症に関する全国調査. アルコール研究と薬物依存40:455-470、2005
※2 Nakamura N, Tanaka A, Takano T. The social cost of alcohol abuse in Japan. J Studies on Alcohol, 54: 618-625, 1993
※3 カタカナ表記は読み方を示すものです。
※4 為替レート: 1ユーロ=130円


参考

「nalmefene」(ナルメフェン)について

「nalmefene」は、オピオイド受容体拮抗薬です。オピオイド受容体は、中枢神経系に広く分布し、脳内報酬系や情動制御、痛みのコントロールなどを司り、これまでに3つのサブタイプ(μ、κ、σ)が知られています。「nalmefene」は、μ受容体に働きかけて報酬効果を調整し、κ受容体を介して嫌悪感を抑制することによって、飲酒誘因刺激への過度な反応を抑え、減酒に伴うストレスを緩和させることが可能と考えられます。また受容体親和性が高く、半減期も長いことから、飲酒欲求を抑制することに繋がります。既に販売を開始している欧州では多量飲酒リスク高値(男性では1日60g、女性では1日40g以上の飲酒量)の成人のアルコール摂取量を低減させるという適応をもつ世界初のアルコール依存症治療薬です。

アルコール依存症について

アルコール依存症をひとことでいうと、「大切にしていた家族、仕事、趣味などよりも飲酒をはるかに優先させる状態」です。具体的には、飲酒のコントロールができない、離脱症状がみられる、健康問題等の原因が飲酒とわかっていながら断酒ができない、などの症状が認められます。確定診断はICD-10診断ガイドラインに従います(表1参照)。

アルコール依存症の患者さんは、本来、飲酒してはならないような状況でも強い飲酒欲求(飲酒渇望)に苛まれます。また、中枢神経がアルコールに依存している「離脱症状」(表2参照)や、否認(本人が問題を認めない)や自己中心性(物事を自分の都合のよいように解釈する)などの心理特性が認められます。更に、暴言・暴力、徘徊・行方不明、妄想などの精神症状や行動異常を伴うこともあります。

治療は外来でも可能ですが、日本では入院治療が主体です。入院治療は、「解毒治療」、「リハビリ治療」、「退院後のアフターケア」の3段階に分けられます。アルコール依存症は早期発見、早期治療が重要です。早期の方が、アルコールによる健康や社会的影響が小さく、また、家族崩壊も未然に防ぐことができます。
※ 「アルコール依存症について」:厚生労働省、みんなのメンタルヘルス総合サイト、『アルコール依存症』より抜粋

アルコール依存症 飲みたい衝動、薬で抑える 心理社会的治療の一助に
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO57743720V20C13A7EL1P01/ (魚拓
2013/7/26付

 適量であれば「百薬の長」でもあるお酒だが、度を過ぎて飲み続けてしまうと、いつもアルコールが欲しくなる依存症に陥ってしまう。健康を害し、きちんと働けなくなる。本人だけではなく家族にも大きな負担がかかる。こうなってからの禁酒は、相当の強い意志がないと難しい。そんな中、お酒を飲みたいという欲求自体を抑える新薬が登場した。専門家は依存症の治療を手助けできると期待を寄せている。

 アルコール依存症の患者は約80万人いるとされ、依存症の疑いがある人は440万人という。男女比は6対1で男性が圧倒的に多い。ただ、男性は50代が多いのに対して、女性は40代が目立つ。女性は、体が小さく、アルコールの影響を受けやすいと推測される。

 アルコールを飲むと、多弁になったり、気が大きくなったりと、興奮状態に陥る。日本酒1合やビール大瓶1本程度ならストレス解消につながるものの、自分を見失うような飲み方を続けると「過剰興奮」の状態が続いて脳内の神経バランスが崩れてしまう。

■脳内の神経に作用

 脳の中枢では、「興奮性神経」と「抑制性神経」がてんびんのようにバランスをとっている。

 アルコールを飲むと、まず抑制性神経が刺激され、続いて興奮性神経も反応する。アルコールを繰り返し摂取し続けると、興奮性神経を過剰に働かせる作用が体に表れる。抑制性神経の活動を再び増やそうと、アルコールを脳が求めてしまう。アルコールから離れられなくなり、平日の昼でも飲んでしまうという状態に陥る。

 日本新薬が5月から販売を始めた新薬「レグテクト(一般名・アカンプロサートカルシウム)」は、この神経バランスを、薬の作用によってバランスのとれた均衡状態に導く。

 1日3回、食後に服用すると脳の中枢にある興奮性神経を抑制する。興奮性神経の働きが減衰すると、抑制性神経の働きを活発にする必要がなくなる。こうして、アルコールを欲しがらなくなる仕組みだ。

 禁酒の効果を確かめる臨床試験では、半年に相当する24週間、新薬を飲む163人と、薬効のない偽薬を飲む164人で比較した。

 その結果、24週後、偽薬のグループで完全に飲酒を断てた人の割合は36%、新薬のグループは47.2%だった。「薬の効果が出た」と国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県横須賀市)の樋口進院長は指摘する。

 ただ、樋口院長は「薬の服用はあくまで禁酒に向けた補助薬の位置付け」と付け加える。依存症は精神疾患に分類され、「薬物療法ではなく、心理社会的治療がメーンになる」(樋口院長)からだ。

 アルコール依存症は、通常、10週間ほど入院をして禁酒を続けることを目指す。最初の3週間ほどはアルコールを抜くと手が震えるといった禁断症状に耐えて、禁酒を続けるよう指導する。1年後に禁酒を続けている患者は全体の約3割という。禁酒を続けようとする過程で今回の新薬は有用な道具の一つになるとみている。

■肝臓への負担軽く

 禁酒補助薬は他の種類もあるが、服用中にお酒を飲むと気分が悪くなる作用で禁酒を促す。患者の中には服用をためらう人もいたという。今回の薬は、飲みたいという欲求を抑制するので「このタイプなら試してみたいという患者が増える可能性もある」(樋口院長)という。

 新薬は低分子薬という種類で、体の中で分解されることはない。アルコールとの相互作用がないため、服用中に誤って飲酒をしても特に問題はないという。肝臓への負担も軽く、肝機能障害がある患者にも使える。薬の成分が尿などから排出されるため、腎機能障害の人は慎重さが求められている。

 アルコール依存症の問題は患者だけの問題では決してない。今回の新薬を一つのきっかけとして、依存症の克服をみんなで支えていきたい。

(新井重徳)[日本経済新聞夕刊2013年7月26日付]
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日本新薬の新薬「レグテクト」は脳の中枢にある興奮性神経を抑制する
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「無宗教」が世界の第3勢力、日本では人口の半数占める=調査
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPTYE8BI02P20121219

[18日 ロイター] 調査機関ピュー・リサーチ・センターが18日発表した世界の宗教動向に関する調査で、キリスト教、イスラム教に続き、「無宗教」の人口が3番目に多いことが分かった。

同機関は調査に当たり、2010年の各国国勢調査や登録人口などの調査資料約2500件を分析。その結果、キリスト教徒が世界人口の31.5%に当たる約22億人と最も多く、世界のあらゆる地域に広く分布していた。2番目に多かったのはイスラム教の約16億人で、全人口の23%だった。

また、確立された宗教を信仰しない「無宗教」の人口は約11億人で、そのうち6割以上が中国に住んでいることも分かった。日本は人口の半数以上に当たる約7200万人が無宗教で、中国の次に多かった。ただ、無宗教とされる人たちの多くが何らかの精神的な信仰を持っていることも指摘されている。

また調査は、イスラム教とヒンズー教信者が増加する見通しを示す一方で、ユダヤ教徒はその見込みが最も低いとしている。

日本もだんだん中国化していくのでしょうかねぇ。まあ、無神論と無宗教も違うしなぁ。

国内、進むアルコール離れ

焼酎の「違い」知ってる? 本格と混和、表示めぐり対立
http://digital.asahi.com/articles/SEB201212180052.html

■国内、進むアルコール離れ

 国内ではアルコール離れが進んでいる。

 宴会といえば「まずはビールで乾杯」が定番。だが、そのビールの課税出荷量は、いまやピーク時の半分以下だ。デフレで低価格の発泡酒や第3のビールが売上高を伸ばしているという面はある。しかし、低価格品を含めた「ビール系飲料」全体でも、出荷量は2011年まで7年連続で前年割れだ。清酒は長期低落、代わりに伸びていた本格焼酎も頭打ちだ。

 根っこにあるのは少子高齢化。お酒を飲む人が減っていることがもっとも大きい。くわえて若い人が、お酒を飲まなくなったこともある。かつてお酒は若者文化で大きな役割を占めていたが「楽しみは多様化している」(メーカー)というわけだ。

 メーカーもあの手この手で、流れを変えようと必死だ。最近ではハイボールや、アルコール3%程度の「低アルコール」飲料がヒット。「若者が戻る傾向もある」(サントリーホールディングス広報)という。

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食道がん男性患者の3割、アルコール依存症の疑い
http://www.asahi.com/science/update/0919/TKY201209190612.html

 食道がんになった男性の約3割にアルコール依存症の疑いがあることが、京都大や国立病院機構久里浜医療センターなどのグループの研究でわかった。19日、札幌市で始まった日本癌(がん)学会で発表した。飲酒が食道がんになりやすくするとの報告はあるが、食道がん患者にアルコール依存が多いことを示したのは初めてという。

 2005~10年、全国16施設で早期の食道がんがわかり、内視鏡でがんを切除した279人の男性について、飲酒する頻度や飲み始めてやめられなかった頻度などを聞く世界保健機関のテストを実施した。

 その結果、29%はアルコール依存症の疑いがあるとの結果が出た。16%は依存症ではないが健康を害する危険な飲酒に分類された。

 アルコール依存になると食事バランスが崩れ、体をこわすまで飲酒を続けるなどがんになりやすくなる。また食道がんは切除しても、別の場所にがんができやすく、再発を防ぐには飲酒を控えるのが望ましい。

 横山顕・久里浜医療センター臨床研究部長は「外科医と精神科医が連携して依存症患者の治療をすることで、食道がんの患者を減らすことができる」と話す。(辻外記子)

食べ物への抑えられない衝動を抑える方法

食べ物への抑えられない衝動を抑える方法
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_514189魚拓

ウォール・ストリート・ジャーナル 9月19日(水)10時8分配信

 カップケーキが呼んでいる。

 実際にそのクリーミーな栄養分たっぷりのスイーツを食べることはできる。ほかのことは考えられないくらい食べたいと思う。でもそれを本当に欲しているのだろうか。それとも、カップケーキが運んでくる楽しみが欲しいのだろうか。ひょっとすると、食べてはいけないと思うから余計に欲しくなるのかもしれない。食べたい衝動と戦えば衝動がなくなるだろうか。それとも状況が悪化するだけだろうか。

 科学者らは食物への渇望を理解するために、これらすべての疑問を細かく研究した。米国では肥満問題が拡大しているため、研究は危急性をもって行われた。食物への渇望は間食の習慣や食べ過ぎ、過食症といった行為に影響を及ぼすと広く信じられているためだ。

 研究によりわかったことの一部はこうだ。

 機能MRI(磁気共鳴画像)スキャンや血流の変化による脳の活動を測るテストなどにより、食物への渇望はドラッグやアルコールへの渇望と同じ脳の報酬系を活性化させることがわかった。 

 ほとんどすべての人は時折、食物への渇望を経験する。しかし女性のほうが男性より、また若い人の方が年配の人よりも頻繁に経験することが報告されている。

 ある研究によると、男性の85%が食物への渇望に屈することで満足感を得られたと回答している一方、女性はわずか57%しか満足感を得られたと回答しなかった。

 多くの女性が妊娠中に塩や脂肪や奇妙な組み合わせの食べ物に対する渇望があると報告しているが、研究者らは科学的検証ができていない。むしろ民間伝承や暗示のせいではないかとみている。

 数十年間、研究者らは食物への渇望は栄養の偏りを正すために体が無意識に行うものだと推測していた。この理論によると、例えば、ステーキを欲しがるのはタンパク質や鉄分を体が必要としている可能性が高いためとなる。チョコレート依存症はマグネシウムが不足しているのか、それとも恋をしているときに体が作り出すフェニルエチルアミンといった気分を変化させる働きをする化学物質が不足しているのかもしれない。

 しかし研究が進むにつれ、栄養の偏りを直すという考えに疑問符がついた。つまり、ビタミン豊富な緑の葉物野菜を渇望する人はほとんどいないうえ、フェニルエチルアミンをチョコレートより多く含む食べ物は他にもたくさんあるからだ。例えばサラミやチェダーチーズなどがそうだ。

 その代わり、研究により、食物への渇望は社会的、文化的、心理的要因が混合して引き起こされ、環境からのきっかけに大いに影響されることがわかった。北米ではチョコレートが最も渇望されやすい食べ物として根強いが、日本女性はすしを渇望しやすいことが最近の研究でわかった。またエジプトでは若い男性のわずか1%、女性では6%しかチョコを渇望しないことが2003年の調査で明らかになった。米ニューヨーク州オールバニの大学の心理学者ジュリア・ホームズ氏は「他の多くの言語には"craving(渇望)"に対応する言葉がない。この概念は特に米国文化のなかで重要なようだ」と話す。

 フィラデルフィアの研究施設モネル・ケミカル・センシズ・センターの食物心理学者マルシア・ペルチャット氏が機能MRIスキャンを使って行った研究により、食物への渇望の感覚記憶はドラッグやアルコールへの渇望が活性化させる脳の同じ部分を活性化させることがわかった。記憶が蓄えられる海馬、認識や感情に関係する島皮質、学習や記憶に重要な尾状核などが含まれるという。神経伝達物質のドーパミンが出て気分が良くなる、報酬系と呼ばれる作用だ。

 専門家は食物への渇望は、例えばサンクスギビングのパンプキンパイやクリスマスのジンジャーブレッドのような、たまに起こるものであれば問題ないという。また健康的な食物であれば年中渇望していてもいい。しかし、あまりに頻繁に起こるようであれば、渇望のスパイラルは制御不能になりかねない。

 脳研究者らによると、ドラッグやアルコール、高脂肪や糖分の高い食べ物などで絶え間なく脳の報酬系を刺激し続けると、ドーパミンの受容体の多くが過剰な負荷を避けるために閉じていくのだという。受容体の数が減ると、気分が良くなる感覚が減り、さらに渇望するようになるのだ。『The Hunger Fix』を著したパム・ピーク氏は「すぐにカップケーキ1個では済まなくなる。おなかいっぱい食べて、それでもまだ気分がよくならない事態になる」と話す。ピーク氏によると、食物依存症は通常であれば突発的な衝動性や依存症につながる習慣性を受け付けないはずの前頭前野を変化させてしまうという。

 食物への渇望と戦う最良の方法は何か。多くの研究は、食べ物を制限すればするほど、実験対象者はそれを欲しがる可能性が高いことを示している。これを踏まえ、研究者のなかには食べ物を制限する代わりに、食べたい衝動を受け入れ、コントロールすることを提案する向きもある。

 ロンドンのユニバーシティ・カレッジが2003年に行った研究によると、食事の合間や食後にだけチョコを食べた被験者は、空腹時に食べていた人よりもチョコを断つことに成功したという。

 また認知行動療法も有効な場合がある。オーストラリア・アデレードの研究者らは自称チョコ渇望症の110人に1週間、チョコの入った袋を持たせた。被験者の半数には「認知再構成法」――チョコを食べたい衝動に立ち向かっていく方法――を指導し、残り半数には「認知ディフュージョン(緩和)法」――チョコを食べたい衝動を受け入れ、行動することなしに、自分の衝動を観察する方法――を指導した。結果、緩和法を指導したグループはそうでないグループより袋に残ったチョコの量が3倍多かった。

 運動が食物への渇望を減らすこともある。またガムや、食べ物以外のにおいを嗅ぐことも有効だ。例えばジャスミンの香りを深く嗅ぐと、食物への渇望で重要な役割を果たすアロマの受容体がそれで占有され、渇望が減る一助となる。

 ピーク氏は渇望が起こった際にタイマーを30分にセットすることを提案する。タイマーが鳴るまで他のことに没頭すると渇望が消えている可能性があるという。「少なくとも渇望する食べ物を口にする時間を遅らせれば、習慣的に反応するのを弱めることができる」とピーク氏は指摘する。

 研究によると、食物への渇望を長く食い止めることができれば、それだけ衝動が弱まってくるという。これは朗報だ。

飲酒運転経験は依存症の86%

飲酒運転経験は依存症の86%
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201207230033.html魚拓

 中国新聞社は、広島県断酒会連合会(事務局・広島市安佐北区)の加盟11団体の会員であるアルコール依存症患者、元患者に飲酒運転に関するアンケートをした。回答者の86・9%が飲酒運転の経験があり、経験した人の66・8%が「日常的だった」とした。飲酒運転が絶えない背景に、依存症の影響がある実態が浮かんだ。

 アンケートは連合会の協力を得て、依存症患者と依存症を克服した会員の計320人に実施。73・8%に当たる236人から回答を得た。

 飲酒運転の経験の有無については、205人(86・9%)が「ある」と答えた。うち137人(66・8%)が「日常的に繰り返していた時期がある」、59人(28・8%)が「数回」とした。

 飲酒運転の経験者205人のうち、87人が道交法違反(酒気帯び運転)容疑などで「摘発されたことがある」と答えた。このうち「2回以上摘発された」のは39人。飲酒運転を繰り返した理由(自由記述)では、「いけないと思ってもやってしまった」などと依存症の影響を示す意見が12人に上り最も多かった。

 飲酒運転をした理由(複数回答)については、「ばれなければ大丈夫だと思った」が93人で最多。「悪いと思っていなかった」(36人)「少ししか飲んでいなかった」(35人)などと続いた。当時は罪の意識が薄く、安易な気持ちで飲酒運転をしていた実態も浮き彫りとなった。

 飲酒運転がなくならない理由(自由記述)は、「依存症か予備軍が多いから」との趣旨の回答が27人と最も多かった。

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臨床心理士・信田さよ子 あなたの悩みにおこたえしましょう
 「一冊の本」(朝日新聞出版)より
https://aspara.asahi.com/column/nayami-okotae/entry/nx7qQGEqiI?atoken=ooMYMQxENI5H24Ap5ijxF3cF1Ia7a874

夫婦、親子、恋人、友人......。だれしも人にはなかなか相談できない人間関係についての悩みを持っているものです。経験豊富なカウンセラーが、その解決方法やヒントを示します。

Q:困っている人の役に立ちたいのです ヨウコ、57歳

 私には31歳の息子と26歳の娘がいます。息子のほうは中学校からいわゆる登校しぶりの状態が続き、高校中退後は通信制高校に入り直しました。その後もいろいろありましたが、5年間の引きこもり状態の末にやっと昨年からNPO法人が主催する自立支援施設に通うようになりました。娘のほうは息子とは対照的に高校時代から家出を繰り返し、しばらくはキャバ嬢として働いていました。年に数回しか家には戻らず、ケイタイの番号だけが消息を知る手段でした。昨年3月の震災の時にはさすがに電話をしてきましたが、皆の無事を確認すると再び音信不通になりました。先日、予告もなくひどく痩せて戻ってきたので、薬物に手を出しているのではと内心疑いましたが、娘によれば、三陸沿岸の被災地に住み込み、ある団体のお手伝いをしているとのことでほっとしています。

 夫の定年を来年に控えたいま、指折り数えると、20年近い歳月を子どもの問題に費やしてきたことに気付かされます。数多くの精神科医やカウンセラーにも出会ってきました。そんな私だからこそできることがあるのではないかと思うのです。幸いにも身体は丈夫で、エネルギーや気力は若い人に負けないほどです。私と同じ悩みを抱えた人たちに、こんな私の経験がお役に立てるのではないでしょうか。図々しいお願いですが、信田さんのカウンセリングセンターのお手伝いをさせてもらうことは可能でしょうか。もし無理であれば、どんな勉強をすればカウンセラーになれるのか教えて頂ければさいわいです。残された人生を、多くの困っている人たちのために役立てて過ごしたいのです。

A:臨床心理士とは?

 長いあいだ二人のお子さんの問題に取り組んでこられたのですね。文面には書き切れないようなご苦労もあったかと推察いたします。とりあえず余裕をもって生活できる状態にまでこぎつけられたこと、本当によかったですね。

 さて、ヨウコさんの質問は二つありますので、一つずつお答えしようと思います。

 一つめのご質問ですが、残念ながら私たちのカウンセリングセンター(以下センターと略)では、「お手伝い」をするスタッフを必要とはしていません。センターのスタッフは臨床心理士の資格を取得していることが条件です。スタッフの構成ですが、現在常勤・非常勤の合わせて13名の臨床心理士(全員女性)がカウンセリングを行っています。また3名の女性が受付業務に就いていますが、彼女たちも臨床心理士を目指して勉強中です。

 二つ目のご質問への答えにもなりますが、臨床心理士という資格について簡単に説明しましょう。現在この資格は「日本臨床心理士資格認定協会」という団体によって認定されていますが、国家資格ではありません。長年国家資格を目指してきましたが、まだ実現していないのは本当に残念です。

 資格取得までの道をざっと書きましょう。まず臨床心理学系の大学・学部を卒業し、さらに認定協会指定の大学院修士課程で2年間勉強をします。さらに実習を最低1年経験して初めて受験資格を得ることができます。試験は、筆記試験で一定程度の足切りがあり、さらに面接をクリアして初めて合格となります。正直申し上げて、かなりの難関だといっていいでしょう。ヨウコさんの年齢を考えますと、これから臨床心理学の勉強を始めるのはかなり困難かと思われますがいかがでしょう。

どんな可能性があるのか?

 では、ほかにカウンセラーになる道はないのでしょうか。すでに申し上げたように、臨床心理士は国家資格ではありませんので、「カウンセラー」と自称することは自由です。極端に言えば、明日から○○カウンセラーという看板を掲げることは可能です。

 このことからカウンセラーという名称は、かなり曖昧な印象をもたれているようです。さまざまな民間団体や学会が独自の資格を認定しているのは周知の事実です。民間団体の中には資格取得までの研修料金をかなり高額に設定しているところもあり、信頼できるかどうかちゃんと見分ける必要があります。インターネット上でもさまざまなカウンセリング機関が溢れています。

 それでも私があえてカウンセラーと自称しているのは、この曖昧さを逆に利用するためです。精神科のクリニックであれば、医師の診察は保険診療が適用されます。したがって料金も低額で済み、投薬も可能となります。いっぽうセンターのような臨床心理士による相談機関は、医療機関ではなく保険も適用されません。料金も、1時間の初回面接が1万500円(含消費税)かかります。保険診療に慣れた人には途方もなく高額に思えるかもしれませんが、弁護士相談の料金も1時間約1万円であり、精神科医の自費診療=1時間の精神療法の料金はもっと高額であることを考えると、私たちの料金設定は妥当だと思います。詳細について述べる紙数がありませんが、それだけの料金設定をしてセンターが存続するためには、精神科クリニックとはまったく異なる援助システムを構築し、臨床心理的援助の方法を身につける必要があります。そして、多くの人たちに利用してもらうために、幅広い問題をあつかい、相談の間口を広げることが要求されます。そのために「カウンセリングセンター」と名づけ、私はカウンセラーと自称しています。精神科のクリニックに比べてまだまだ認知度が低いセンターが存続するためには、このような戦略と努力が不可欠でした。

 少々説明が長くなりましたが、ヨウコさんが希望されるのはどのような活動なのでしょうか。単に困った人の役に立ちたいというのなら、ボランティアでもいいのではありませんか。各自治体にはさまざまなボランティア活動を紹介する窓口が用意されているはずです。

 また息子さんが通所されているNPO法人の活動のお手伝いをすることもできるでしょう。そんな可能性を探られるのも一つでしょう。

他人の役に立ちたいという欲望

 さて、ヨウコさんはなぜ人の役に立ちたいのでしょうか。実はヨウコさんだけではなく、これまでに何人もの方から「これまでの私の人生経験を生かして、困った人のお役に立ちたい」という申し出を受けたことがあります。そのような考えに至ることはそれほど不思議ではありません。予期せずして苦しい経験に出会い、それをなんとか「乗り越えた」と思う人は、なぜ自分にそのような試練が襲ったのかをしばしば考えるものです。

 苦しい経験であればあるほど、その意味を見つけなければ人は生きていけません。自分の経験がまったく無意味だったと考えることは、深い絶望に通じるでしょう。東日本大震災で被災された人たちも、今に至るまで、そしてこれからも、繰り返し繰り返しなぜ自分があのような目に遭わなければならなかったか、と問い続けずにはいられないでしょう。

 苦悩の淵からやっとの思いで少し這い上がったころに、同じような苦しみを味わっている他者の姿が見えてきます。その時、新たに自分の経験を同じ苦しみを味わっている他者の役に立てられないだろうか、そうすることで自分の経験に意味がもたらされるかもしれない、と思うのです。前提になっているのは、「乗り越えた自分」と「苦しみの最中にある他者」との分断です。

 体験者が自らの経験を生かして援助者になる例は、アルコール依存症の世界では珍しくありませんでした。アメリカでは、1980年代に回復者カウンセラーと呼ばれる人たちが数多く治療現場で活動しました。長期にわたって酒をやめ社会生活を送っている人が、自分の経験を生かしてアルコール依存症の治療チームの一員になったのです。日本でも80年代から90年代にかけて、アルコール依存症の回復者カウンセラーが援助者として雇用される例をいくつも見てきました。彼らは酒をやめ続けるために、ほぼ毎日自助グループのミーティングに参加します。そこではメンバー全員がアルコール依存症者であることにおいて平等ですが、いっぽうで援助者でもある場合、そこに一種の権力性が生まれてしまいます。簡単にいうと「俺はプロとして援助する立場にある」という、上から目線が生じがちであり、時に本人は意識しなくても、周囲がそうとらえることもあります。自助グループでは、このような現象を「二つの帽子をかぶる」という比喩を用いて厳しく戒めます。

 アルコール依存症のように、自助グループという相互の対等性を保証する場があっても、しばしば断酒が長い人が経験の浅い人に対して権力的で上から目線になりがちだということは、大きな示唆を与えてくれます。

わかってあげる、わかってもらうという不可能性

 さて、他人の役に立つということがなぜある種の危険性をはらんでいるかがおわかりになったでしょうか。同じ苦しみを味わったからこそ生まれる権力に、ヨウコさんは敏感になっていただきたいのです。女性同士の世界でも、子どものいない人には私の気持ちなんかわからないといった分断は日常的に再生産されています。

 ヨウコさんは、たぶん「こんな苦しみを味わったからこそ、人の苦しみをわかってあげられる」と考えていらっしゃるのでしょう。世間ではこのような考えが一般的だと思います。それは、裏返せば「同じような苦しみを味わったことがない人に、私の苦しみなんかわかるはずがない」という考えに通じます。

 では、他人の苦しみを「わかってあげられる」とは、どんなことなのでしょうか。同じ苦しみを味わったことがなければ、わかってあげられないのでしょうか。答えはノーです。津波にさらわれた経験のない人に、被災者の苦しみがわからないわけではありません。私たちに与えられた想像力こそが、体験したことのない苦しみに思いを馳せることを可能にします。

 もっとはっきり申し上げると、他者の苦しみを「わかる」ことなど私たちにはできないのです。自分の苦しみですら引き受けるのが難しいのに、他者のそれをわかることなどおこがましくてできないといったほうがいいでしょう。

 カウンセラーはクライエントの苦しみを「わかってあげる」のが仕事ではありません。わかるという言葉をめぐって発生する、わかってもらえる、あげられるという力関係はむしろ危険なものであると思います。

今こそ好機(チャンス)

 クライエントの前に座って、現在の苦しみや悲しみ、恨みや絶望についてクライエントが語る言葉を聞き、それをカウンセラー自身の想像力で再構成し類推していくこと。それがおそらく「わかる」ことなのだと私は考えています。クライエントの語った言葉を一言一句聞きもらさず、私はすべてを再構成して語り直せるように努めています。そうできることが、クライエントの「聞いてもらった」という深い満足感になると思うからです。それを経なければ、新しい方向性を提示することもできないでしょう。共感という言葉はどうしても感情重視に傾きがちです。むしろ、クライエントの語る言葉や内容をどのように把握するかという認知的側面こそ重要なのです。

 ヨウコさんにとって重要なのは、自らの経験をどの程度まで振り返り総括できているか、つまり個別的経験をどこまで相対化できているかということです。なぜなら個人的経験にとらわれてしまうことは、援助者=プロのカウンセラーとして仕事をするうえでむしろ障害になるからです。自分がこうやって苦しみを乗り越えたという一種の成功譚に固執していると、それを相手に押し付けないとも限りません。アルコール依存症の回復者カウンセラーの落ち入りがちな陥穽がそれでした。

 率直に申し上げましょう。ヨウコさんは、せっかく余裕のある生活がもどってきたのですから、少しゆったりしましょう。夫の定年退職後はいっしょに旅行にでもでかけましょう。不幸な人たちの援助をするより、少しは楽しんでみてはいかがでしょうか。私から言われるまでもなく、ヨウコさんなりにすでにいろいろ試みられたのかもしれませんね。しかしどうもうまくいかない、むしろ落ち込んでしまった。カウンセラーになるという目標を立てた途端に元気になった、ということかもしれません。

 とすれば、楽しいことには少しも食指が動かず、自分より不幸な人との分断に惹かれてしまう自分をみつめてみましょう。そして他人の苦しみを「わかってあげたい」という欲望から自由になってください。むしろ、余裕のできた今こそ、過ぎ去った嵐のような日々を振り返る好機なのです。そのために、思い切って今度は自分のためにカウンセリングを利用してみませんか?


※「あなたの悩みにおこたえしましょう」は、今回で終了します。ご愛読、ありがとうございました。

信田 さよ子(のぶた・さよこ)
臨床心理士、原宿カウンセリングセンター所長。1946年岐阜県生まれ。お茶の水女子大学大学院修士課程修了(児童学専攻)。病院勤務などを経て、1995年より現職。アルコール依存症、摂食障害、ひきこもり、DV、児童虐待に悩む人やその家族のカウンセリングを行っている。著書に「タフラブという快刀」「母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き」「共依存・からめとる愛」ほか多数。

過度な飲酒「脳萎縮」招く? 認知症の原因にも 脳ドック検診で確認を
http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE1EBE6EBE2E0E5E2E3E2E2E1E0E2E3E09F88E6E2E2E3 (魚拓
2012/3/11付

 飲み過ぎは体によくない。一部のがんになるリスクが高まるだけでなく、認知症と関係があるとみられる「脳の萎縮」を進行させるとの見方もある。体質的にアルコールをあまり受けつけないタイプの人が飲酒量を増やした場合、最も気をつけなければならないと専門家は指摘する。

 都内在住の男性Aさん(45)は、ここ数年、物忘れがひどくなり、周囲の勧めで脳ドックを受診した。検査後、医師から「脳が縮んでいる」と告げられた。

 Aさんは若い頃からお酒が大好き。平日は仕事後に缶ビール(500ミリリットル)2~3本、週末には朝から晩まで飲み明かすことも。「まさかアルコールで脳の萎縮が進行するとは思ってもみなかった」

 脳の神経細胞が大量に死滅し、脳の容積が小さくなると萎縮が起きる。誰でも加齢とともにみられる現象だが、アルコールの大量摂取が萎縮を進行させるとする研究結果が国内外で報告されている。

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萎縮した脳(右)は正常な脳に比べ「隙間」が多い(MRI画像)

 2008年、米ウェルズリー大学などの研究チームは、飲酒量が多いほど脳全体の容積が縮小するとする調査結果を発表した。平均年齢60歳の男女1839人を飲酒量に応じて5グループに分け、磁気共鳴画像装置(MRI)を使って脳容積を測定した。最も萎縮の割合が高かったのが大量飲酒者のグループだった。一方、全く飲まないグループの萎縮の割合が最も小さく、アルコールと脳の容積の間には有意な関連性が認められたとした。

 国内でも千葉大学の研究者らが同じような結果を報告している。10年ほど前の研究だが、脳萎縮の特徴とされる前頭葉の「隙間」を計測したところ、日本酒換算で1日2合以上飲酒するグループの脳萎縮発現率は38.2%で、これ以下の飲酒のグループと比べて13ポイント以上も高かった。

がんリスクも上昇

 東京医科大学病院の羽生春夫教授は「脳の萎縮は加齢に伴って50歳以降に始まるのが通常だが、飲酒量の多い人はそれよりもやや早く始まる傾向にある」と指摘する。

 過度な飲酒が悪影響を与えるのは何も脳だけではない。

 世界保健機関(WHO)は11年、世界で年間250万人の死に飲酒が影響しているとの調査結果を発表した。03年の評価でも飲酒が口腔(こうくう)がんや喉頭がん、食道がんのリスクを上げる要因になると指摘した。

 人の体にはアルコールに関する2種類の酵素が存在する。アルコールをアセトアルデヒドに分解する酵素と、分解したアセトアルデヒドを酢酸に変える酵素だ。

 アセトアルデヒドを酢酸にする酵素の強弱は遺伝子レベルで決まっている。「酵素の働きが強く酒に強い人」「働きは弱いもののある程度は飲める人」「酵素の働きが全くない人」の3タイプがある。

 アセトアルデヒドはDNA(デオキシリボ核酸)を傷つけ細胞をがん化させる。喉頭がんや食道がんなどになる危険性が最も高いのは、ある程度は飲めるタイプで、日本人の約4割が該当する。体質的には酒に強くないにもかかわらず、「慣れ」によって飲み過ぎてしまうため、病気を引き起こすリスクを高めてしまうようだ。

 飲酒の習慣を改めるにはアルコールをいきなり断つのではなく、まずは、節酒を心掛けることが大切だ。
 酒への依存度を知ることから始めよう。インターネットなどに掲載されているスクリーニングテストを利用すれば誰でも手軽に判断できる。

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「日記」つけ節制

 次に飲酒量をどこまで減らすのか目標を設定する。慶応義塾大学の加藤真三教授は「できるだけ具体的に目標を設定した方が効果的」という。設定したら「飲酒日記」を毎日つける。飲んだ相手や酒の量などを細かく記録し、達成できたかどうかを「○」「×」で書き留める。減らそうとする努力を「見える化」するのが長続きさせるポイント。

 脳がどの程度萎縮しているのか確認するには「脳ドック」を受けるしかない。東京クリニック(東京・千代田)には年間2000人弱が脳ドックの検診に訪れる。「脳の萎縮具合を直接目にすることは、禁酒や節酒のいい動機づくりになる」(笹沼仁一・健診センター長)。検診がきっかけで酒を断った人も多くいるという。
(上林由宇太)
京大、ギャンブルへの慎重さに脳内のノルアドレナリンが関与など研究成果を発表
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=303615&lindID=5魚拓
ギャンブルへの慎重さに脳内のノルアドレナリンが関与

 経済的あるいは社会的損失などの不利な結果を招くと予想されるにもかかわらず、ギャンブルを止められないギャンブル依存症は現在、家庭崩壊や犯罪の原因になるなど社会問題となっています。反対に過度に損失を恐れてリスクを取らない判断ばかりであると、ビジネスも学術も革新的な進歩は望めません。

 高橋英彦 医学研究科准教授(独立行政法人 放射線医学総合研究所(理事長:米倉義晴、以下、放医研)分子イメージング研究センター 分子神経イメージング研究プログラム(須原哲也プログラムリーダー)客員研究員)は、PETを用いて、利得と損失の双方の可能性があるリスク判断をする時に、利得よりも損失に比重を置く傾向の強さに脳内ノルアドレナリンが関与していることを世界で初めて明らかにしました。

 今回の研究では健常者を対象に、経済理論を用いて利得と損失の双方の可能性があるギャンブルに際して、利得と損失のどちらに比重を置くか検証したところ、多くの被験者は、理論通り、同額の利得と損失の可能性がある場合、損失に比重を高く置き、ギャンブルには参加しませんでした。また、利益の金額が少なくとも損失の何倍以上ならギャンブルに参加しても良いと思う金額(倍数)、つまり損失への比重のかけ方には個人差があり、典型的にはある損失に対して最低その約3倍の利得が見込まれないとギャンブルに参加しないことが示されました。

 被験者の脳内のノルアドレナリントランスポーター(以下NAT)の密度をPET検査で調べた結果、視床のNATの密度が低い人ほど、より損失に比重を置いて判断する傾向があるという関係が見出されました。

 これらの成果は、今後、ギャンブル依存などの依存に陥りやすい人等様々な依存傾向の客観的な評価およびその新たな治療戦略につながるものと期待されます。

 この研究成果はMolecular Psychiatryオンライン版に2月21日午前4時(米国東部時間)に掲載されました。

本研究成果のポイント
・脳内分子の画像技術と経済理論から利得と損失の双方の可能性があるリスク判断をする時に、より損失に比重を置く慎重さを計測
・脳内の視床のノルアドレナリントランスポーターの密度が低い人ほどより損失に比重を置いて慎重な判断をする
・ギャンブル依存に陥りやすい傾向の客観的評価や新たな治療戦略に貢献

背景
 私たちは、毎日の日常生活や仕事の上でも、将来の不確実なことに対して判断をしていかなければなりません。例えば、朝、家を出かけるときに降水確率が50%という天気予報を見て、傘を持っていかない人は、雨が降らなければ、身軽で得した気分になります。しかし、もし雨が降ったら大きな損害です。ビジネスの上でも今後の円相場が円高、円安どちらに転ぶかわからない状況で、円安になれば利益が上がり、円高になれば損失になるような商談について判断していかなければなりません。

 伝統的な経済理論では、意思決定者は常に合理的に判断し、理論に基づいて最も利益をあげる確率が高いオプションを選択するものと想定してきました。しかし、次の例を考えてみましょう。コイントスをして表が出れば1万円もらえて、裏が出れば1万円失うくじがあったとします。多くの人はこのくじには参加しないのではないでしょうか。伝統的な理論では利益、損失が同額でその確率も50-50%であれば、このくじ(期待値0)に参加しても良いと思う人は二人に一人程度いても不思議ではないと予想し、ほとんどの人が上にあげたくじには参加しないことを上手く説明できませんでした。ここで、表だと2万円もらえて、裏だと1万円失うくじを想定した場合、参加してもよいと思う人が増えてきます。これは同額の利益と損失がある場合、損失が利益に対して少なくとも2倍の心理的な影響を与え、慎重な判断をするのが典型的であることを示しています。

 期待値通りではない、一見非合理的に見える意思決定は必ずしも悪いものではなく、こうした非合理な意思決定が社会生活を豊かにしたり、円滑にしたりしている面もあります。しかし、非合理の度合いが行き過ぎるとギャンブル依存のような精神・神経疾患に認められる意思決定障害につながります。他方、過剰に合理的過ぎると、自分さえ良ければよいという考えにつながりかねません。

 そのため、実際の人々の消費行動や市場の動きを計算式からのみではなく、血の通った人間の行動や心理状態を考慮して、私たちの経済行動を研究する行動経済学という領域が発展してきました。

 行動経済学のパイオニアである TverskyとKahneman(後者は2002年にノーベル経済学賞受賞)らは、私たちは同額の利益を得ることより、同額の損失を回避する心理傾向が強いことを実証的に見出し、この現象を損失忌避と名付けました。コイントスの例も損失忌避の現れといえます。最近は、行動経済学からさらに進化して、神経経済学という経済的あるいは社会的な意思決定をしている際の脳活動を調べる学問も興隆しています。神経経済学の知見からも、人間の経済的意思決定は、常に合理的に計算しつくされたものではなく、情動に関わる脳部位が意思決定に重要な役割を担っていることがわかってきました。しかし、これまでの神経経済学は、機能的MRIを中心とした脳活動を調べるものにとどまっていました。

 本研究は、放医研の世界最高水準の分子イメージング技術を用いて意思決定にかかわる神経伝達物質である脳内のノルアドレナリンが、損失忌避にどのように関わっているかを調べた世界で最初の研究です。

研究手法と成果
 健常男性19名を対象に次の実験を実施しました。参加者には、実験に関する簡単な説明を受けた後、上記に挙げたような50-50%のコイントスに参加するかしないかの判断が求められます。ただし、表が出た時に得られる金額と、裏が出た時に失う金額は必ずしも同額ではなく、様々な当選金額と損失金額の組合せのコイントスが次々と出てきて、それに対して参加するかしないかを決めていきます。その結果から、各個人が利益と損失の双方の可能性があるリスクのある判断をする時に、より損失に比重を置いて判断する傾向の強さを推定します。損失に比重を置いて判断する損失忌避(慎重さ)の指標(変数)をモデル式に当てはめて、推定しました。その結果、多くの被験者は、理論通り、同額の利益と損失の可能性がある場合、損失に比重を高く置き、ギャンブルには参加せず、平均的にはある損失金額に対して少なくともその約3-4倍の利益が見込まれないとギャンブルに参加しないことが示されました。また、利益の金額が少なくとも損失の何倍以上ならギャンブルに参加しても良いと思う金額(倍数)、つまり損失忌避(慎重さ)の程度には個人差がありました。

 次にPET検査を受けてもらいました。脳内の NATの密度を検討できる(S,S)-[18F]FMeNER-D2という薬剤を用いてPET検査を行い、モデル解析により脳内の視床とよばれる部位のNATの密度の指標を定量しました。(図1)。

 損失に比重を置いて判断する損失忌避(慎重さ)の程度を表す変数と視床のNATの密度との関係を調べたところ、視床のNATの密度が低い人ほど、損失に比重を置いて判断する損失忌避の程度が強いということがわかりました(図2)。つまり、視床のNATの密度が低い人は予測される損失の金額よりはるかに高い利益が見込まれないと上記のコイントスに参加しない慎重な傾向があることがわかりました。

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今後の展開
 これらの成果は、今後、ギャンブル依存などの依存に陥りやすい人等様々な依存傾向の客観的な評価、治療効果判定およびその新たな治療戦略につながるものと期待されます。今後、この研究では、ノルアドレナリン以外の神経伝達物質が人間らしい非合理な意思決定にどのようにかかわっているかを明らかにし、人間らしい意思決定の分子レベルのメカ二ズム解明、および精神・神経疾患の意思決定障害の理解を深めることを目指します。

 本研究は、カリフォルニア工科大学、日本医科大学、慶應義塾大学、および早稲田大学との共同研究による成果で、また、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 さきがけ「脳情報の解読と制御」(研究総括:株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所長 川人光男)研究領域における研究課題「情動的意思決定における脳内分子メカニズムの解明」および、文部科学省脳科学研究戦略推進プログラム「精神・神経疾患の克服を 目指す脳科学研究」の一環として行われたものです。

<用語解説>
・分子イメージング
生体内で起こるさまざまな生命現象を外部から分子レベルで捉えて画像化する技術及びそれを開発する研究分野であり、生命の統合的理解を深める新しいライフサイエンス研究分野。体の中の現象を、分子レベルで、しかも対象に大きな負担をかけることなく調べることができる。がん細胞のふるまいの調査だけではなく、アルツハイマー病や統合失調症、うつ病といった脳の病気、「こころの病」を解明し、治療法を確立するための手段として期待されている。

・PET
ポジトロン断層撮像法(positron emission tomography;PET)のこと。画像診断装置の一種で陽電子を検出することによって様々な病態や生体内物質の挙動をコンピューター処理によって画像化する技術である。

・ノルアドレナリン
中枢神経系に存在する神経伝達物質であり、脳幹の青斑核から投射され、脳内に広く分布している。覚醒、集中、意欲、記憶などの働きがあり、ストレスを受けたときにも放出される。

・ノルアドレナリントランスポーター(NAT)
神経終末などに存在し、神経終末から放出されたノルアドレナリンを放出された近傍ですばやく再取り込みして、その活性を終了させる役割を担う。

・視床
大脳の中心部にあって、間脳に属する神経細胞群。視覚、聴覚、体性感覚などの感覚入力を大脳皮質へ中継する重要な役割を担う。意識、情動、記憶、注意など様々な機能に関わる。

・行動経済学
伝統的な経済学では、計算式や理論に基づき人間は合理的に振る舞うというのを前提としていたが、観察や実験を通して血の通った人々の行動や心理状態を重視して、人間の心理バイアスや認知が私たちの経済行動にどのような影響を与える研究する分野。ダニエル・カーネマン、バーノン・スミスはこの分野への功績で2002年ノーベル経済学賞を受賞した。

・損失忌避
利益と損失の双方の可能性がある意思決定に際して、より損失に比重を置いて意思決定をする傾向。つまり同額の利益を得ることより、同額の損失を回避する心理傾向が強いことを指す。

・神経経済学
行動経済学に端を派し、心理学、認知科学、経済学に脳神経科学が融合し、人間の行動選択、意思決定、消費行動を脳神経科学の観点から理解しようとする学際的分野で近年、急速に興隆している。

・(S,S)-[18F]FMeNER-D2
ノルアドレナリントランスポーターに対して高い親和性と選択性を有するレボキセチンという薬剤を放射性同位元素のフッ素-18で標識したもの。



ギャンブルにはまる人、脳に特徴 京都大が発見

http://www.asahi.com/science/update/0221/OSK201202210074.html魚拓

  ギャンブルにはまりやすい人の脳の特徴を、京都大の高橋英彦准教授(精神医学)らが見つけた。ストレスを受けたときに出て、ドキドキさせる脳内の情報伝達物質を回収してしまう「取り込み口」が多かった。ギャンブル依存症の予防などに役立つと期待される。米神経科学誌で21日発表した。

  高橋准教授らは、確率が五分五分のコイントスで、勝った場合の利益額と負けた場合の損失額を変えて、どの額なら参加するかを問う実験を男性19人で試した。その結果、利益額が損失額の8倍でないと参加しない慎重な人から、同額に近くても参加する人まで差が出た。

  次に、脳内の神経のつなぎ目(シナプス)から分泌された情報伝達物質「ノルアドレナリン」を回収する取り込み口の密度を、脳の画像診断装置で調べたところ、慎重でない人ほど高く、「同額ほどでも参加する人」は、「8倍でないと参加しない人」の約2倍だった。

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ギャンブルにはまりやすい人の脳の特徴

薬物依存の相談、5年で565人 県センター初公表
http://www.shinmai.co.jp/news/20120215/KT120214FTI090032000.html魚拓

 2006年度からの計5年間に県内の医療機関などに薬物依存に関する相談を寄せた人は延べ565人に上り、そのうち薬物依存の本人など相談対象者の4割に何らかの逮捕歴があることが14日、県精神保健福祉センターのまとめで分かった。同センターが5年間分のデータを公表するのは初。同センターは「薬物依存者は薬物を手に入れて使うことに執着する病気。医療機関や司法関係者が情報共有するなどの連携が必要だ」としている。

 長野市内で同日開かれた県薬物依存症対策推進会議で報告された。06年4月から09年9月と、10年4月から昨年9月までの計5年間に、県内の医療機関や保健所、薬物依存者を支援する民間団体「長野ダルク」(上田市)、同センターなどに寄せられた相談をまとめた。

 相談したのは本人が204人(36・1%)、親が171人(30・3%)。本人の年齢は30代が175人(31・0%)で最も多く、20代、40代と続いた。このうち薬物に依存している本人など相談対象者の223人(39・5%)について何らかの逮捕歴があった。

 また、初回の主な相談は「薬をやめたい(やめさせたい)」が116件で最多。治療希望や回復のための施設入所希望を求める人も多かった。

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 現在使用している薬物は覚せい剤が173人(30・6%)と最多で、向精神薬は114人(20・2%)。シンナーなどの有機溶剤は29人(5・1%)、合法ドラッグは5人(0・9%)だった。

 長野ダルク代表の竹内剛さん(50)は、本人や家族が相談を求めることから支援が始まるため、「相談窓口の確保が重要」と指摘する。

 同センターの小泉典章所長は「薬物依存者は依存症という病気」と強調。現在県内に2カ所ある、依存症者への回復プログラムを実施する病院を拡大することや、相談支援充実の研修会開催が必要―としている。

薬物中毒者の脳に遺伝的異常、サイエンス誌

薬物中毒者の脳に遺伝的異常、サイエンス誌
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2855840/8419577魚拓
2012年02月06日 16:05 発信地:ワシントンD.C./米国   

【2月6日 AFP】薬物中毒者は、衝動の抑制に関与する脳部位の異常を遺伝的に受け継いでいるとする研究が、2日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。

 英ケンブリッジ大(University of Cambridge)のKaren Ersche氏率いる研究チームは、薬物中毒者とその兄弟姉妹、無関係のボランティアの脳を比較分析。その結果、薬物中毒者のきょうだいたちの脳には、本人が薬物中毒でないにもかかわらず、薬物中毒者の脳に見られる脆弱(ぜいじゃく)性の多くが確認された。

 これは、脳の脆弱性が家系に由来することを示唆している。薬物中毒者のきょうだいが中毒者にならなかった理由は、環境的な要因あるいは脳の他の部位の差異によると考えられる。Ersche氏は「恐らく、きょうだいたちには薬物依存に対する家系的な脆弱性に適応したレジリエンス(弾力性、回復力)が備わっているはずだ」と説明した。 

 研究チームは、一方が薬物中毒者でもう一方がそうでない50組のきょうだいと、無関係の健康な50組の対照群について、ある行動から別の行動にどれほどの速さで切り替えることができるかを見る反応抑制(stop signal reaction time、SSRT)検査で、被験者らがどれだけ衝動を制御できるかを調べた。

 薬物中毒者はうまく衝動を抑えられないことが知られているが、研究の結果、薬物中毒ではないきょうだいも対照群と比較して明らかにSSRT検査の成績は悪かった。

 また脳をスキャンしたところ、薬物中毒ではないきょうだいも前頭葉や、運動・認識・行動に関連する大脳基底核と前頭葉との連結部に、薬物中毒者と同じ脆弱性がいくつか見つかった。「ある個人が興奮系薬物依存症になる傾向は、自制を保てない脳の異常によってもたらされている可能性がある」と、Ersche氏は述べている。(c)AFP

アルプス断酒会高橋会長 全国大会表彰

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断酒に貢献 全国大会表彰 朝日の高橋好道さん
http://www.map-color.co.jp/times_news/archives/8142.html
 2011.11.13 (日)
 NPO法人長野県断酒連合会の前理事長で、アルプス断酒会の名誉会長・高橋好道さん(81)=朝日村西洗馬=がこのほど、第59回精神保健福祉全国大会で日本精神保健福祉連盟会長表彰を受けた。地域の断酒会の中心となって、長年尽力してきた功績が認められた。高橋さんは受賞の喜びをかみしめ、支えてくれた関係者に感謝の思いを新たにしている。

様々お世話になっている断酒会の会長さんが、表彰されたという地元紙の記事です。2年前、全国大会開催のために積み立てた金を県断連の会計担当理事が使い込んでしまうという事件があり、その事後処理は端から見ていてもなかなか大変だったようです。AAにも奥様と二人でお招きし、酒害体験を話していただきました。
臨床心理士・信田さよ子「あなたの悩みにおこたえしましょう」
ハマってしまう自分をどうすればいいのでしょう
https://aspara.asahi.com/column/nayami-okotae/entry/BMHl6vDJQy

Q ハマってしまう自分をどうすればいいのでしょう ミエ、35歳

 思春期のころから摂食障害になり、約8年間過食と嘔吐を繰り返す生活を送りました。親には知られたくないと思い隠れて吐いていましたし、それほどひどく体重が減ったわけでもなかったので、幸い今でも家族はそのことを知らないままです。

 就職して実家を離れ、食事の習慣を規則正しくするよう努力したことが功を奏したのか、25歳ごろには症状はなくなりました。ところがそのころから別の悩みが生まれました。ヨガを始めると休みの日までヨガ教室に通いつめ最後には腰を痛めてしまい、手芸の刺繍を始めると睡眠時間を削ってまで根を詰め、最後には部屋中に作品が溢れるほどになりました。やり始めると自分でも止められないほど夢中になってしまい最後は行き詰まってやめるということの連続なのです。35歳になった今そんな自分に気づき、つくづくいやになりました。新しいことを始めようと思うのですが、ついつい躊躇してしまいます。

 最近の私は仕事から帰ってからの時間をひとりでワインを飲んで過ごすようになりました。実は、父親はアルコール依存症といっていいほどの酒飲みです。しょっちゅう酔って母に暴力をふるい、私も何度かひどく殴られた記憶があります。父は70歳を目前にしながら、今でも実家で毎晩のように酒を飲み母を困らせています。そんな家族だったので、幼いころから父のような男性とは結婚しないと誓い、成人してからは飲酒するにもかなり用心深くしてきました。きっとのめり込んでしまうと思うので、ゲームやギャンブルにも近寄らないようにしてきました。

 そんな努力をしてきたにもかかわらず、いつのまにかワインを飲む時間が増えた私が不安なのです。いつか父のようになってしまうのではないでしょうか。何事にものめり込む性格は世代間連鎖するのでしょうか。

 振り返ってみれば、人間関係も熱中しては離れることを繰り返してきたような気がします。お付き合いする男性との関係も長続きしません。早く結婚して、両親とは違う幸せな家庭を築きたいのです。こんな私をなんとか変える方法はあるのでしょうか。アドバイスをお願いします。

A 心理学用語が用いられるとき

 ご質問の内容ですが、読む人が読めばどこが問題なのだろうと訝しんでしまうでしょう。かつて摂食障害だったが今では症状はなくなっている、仕事はちゃんと続けている、趣味もやり始めれば一定程度の道は極める......。これらはほめられこそすれ、何か問題があるわけではないでしょう。なのにミエさんはそこに大きな問題を感じていらっしゃる。

 その根底にあるのはアルコール依存症である父への嫌悪と、その娘であるがゆえにいつか自分も父に似てしまうのではないかという恐怖なのではないでしょうか。自分が親のようになってしまうという世代間連鎖をミエさんは何より怖れていらっしゃるのです。では、果たして世代間連鎖は起きるのでしょうか。まずこの言葉について簡単に説明しておきましょう。

 心理学用語が人々に取り入れられるのは相応の理由があります。そのいい例が性格という言葉です。今や日常用語になったこの言葉は戦後社会において急速に広がったものです。民主主義社会においては、人々は生まれつきの家柄や性別によって決定されるのではなく、平等な人権に基づいて生きることができるようになりました。たとえ建前であったとしてもそのことが憲法に謳われてから、性格という言葉が流通し始めたのです。もともとの性質(たち)や性根、人品とも異なる性格という心理学的な言葉は、個人を尊重し、その結果として個人の責任に帰せられる言葉でした。親がしつけや育児に際して「あの子の性格は~」と語るとき、子どもには性格という目に見えない実体が備わっており、そこに問題があるのだと主張しているのです。子どもの性格は子どものものなのですから、親に責任はなくなります。また対人関係において、「あの人はヘンだ」という代わりに「あの人は性格がヘンだ」と批判されれば、ヘンな性格を修正する責任が強調され、却って傷ついてしまうでしょう。

 このようにして心理学用語は、その都度日本の社会に必要とされて定着してきました。最近では「トラウマ」「自己評価が高い(低い)」などが挙げられます。世代間連鎖もそのひとつと考えていいでしょう。逆にそれらから日本の社会の変貌を見ることができるかもしれません。

「世代間連鎖」という言葉が隠ぺいしたもの

 この言葉が日本で広範に受け入れられるようになったのは、1990年代に入ってからでしょう。私の記憶によれば、もともとはアルコール依存症の親をもつ人たちが、成人後、親と同じくアルコール依存症になってしまうという多くの事実から生まれた用語です。私も分担して翻訳している『私は親のようにならない―嗜癖問題とその子どもたちへの影響』(クラウディア・ブラック著、斎藤学監訳、誠信書房、1989)は世代間連鎖の問題を描いた最初の本でした。著者によれば、アメリカではアルコール依存症者の子どもは成人後約半数が同じ依存症に、四分の一の配偶者が依存症者になるというのです。あまりに希望がないと思われるかもしれませんが、この本はそうならないための手立ても書かれています。しかしながら、日本において広がったのは、アルコール依存症のもたらす次世代への影響より、「親のようになってしまう」という悲観的な側面だったのです。それがもっとも活用されたのが子どもへの虐待でした。

 90年のバブル崩壊後、日本経済は成長を鈍化させ長期にわたる低迷状態へと突入していきます。同じ時期、日本では子どもの虐待防止が叫ばれ始めました。大阪と東京で、親の虐待から子どもを守るための市民団体が、小児科医や弁護士・精神科医・保健師などを中心として相次いで設立され活動を開始します。マスメディアでも虐待死のニュースが流れ始め、特集も組まれました。それらの論調の多くは虐待する母を克明にルポし、彼女たちも虐待されて育った、つまり世代間連鎖によるものだと結論づけました。言うなれば、「母性」を喪失し虐待に走る母を俎上に上げ、その理由として彼女たちも虐待されて育ったという因果論によって説明づけたのです。多くの読者は虐待という残虐な行為に戸惑うからこそ、このようなわかりやすい説明を受け入れたのです。これが世代間連鎖という言葉が一気に広まるきっかけとなりました。

 虐待を母=女性の問題に矮小化し、さらに世代間連鎖という因果論で説明することで隠ぺいされたものは何だったのでしょう。

 2000年に子どもの虐待防止法が施行されて以来、さまざまな調査によって明らかになってきたことがあります。それは虐待の加害者の多くは実父・義父であることでした。また虐待されて育った女性が必ずしも虐待する母になるわけではないことも明らかになっています。つまり90年代に世間一般に受け入れられたあの世代間連鎖という言葉はそれほど根拠がなかったのです。

 とすれば、当時の社会において虐待を女性=母の問題へと囲い込み、「自己責任」の対極である運命論的な世代間連鎖と結論づけたことは、不況のさなかで子どもを虐待する男性=父の姿を隠ぺいし、さらにすべてを自己責任へと集約する新自由主義(ネオリベラリズム)からの解放を意味したのではないでしょうか。おまけに、母=女性は虐待されて育った被害者性を承認されることで自分を責めずに済み、父=男性の責任も不問に付されたのです。

世代間連鎖は男性の問題

 近年新たに注目されるようになったのは、DV(ドメスティック・バイオレンス)を目撃して育った男児が、長じて父と同じく配偶者に暴力をふるうようになるという世代間連鎖です。DVを目撃することは広義の虐待であり、その影響は男児と女児ではジェンダー差があると言われています。少々雑駁な説明になりますが、父から母への暴力を見た男児は攻撃性を他者に向け、女児は自分に向ける傾向があると言われます。

 私はDV加害者プログラムを実施していますが、そこに参加する男性たちの多くは子ども時代に父から母へのDVを目撃しているという事実も、それを裏付けるように思います。したがって世代間連鎖は女性(母から娘へ)の問題ではなく、むしろ男性(父から息子へ)の問題だと言ってもいいでしょう。女性は否が応でも出産を経験することで母親のことを思い出さざるを得ませんが、男性も結婚する前に今一度父親のことを思い出し、母にとって父がどのような夫だったかを振り返ってもらいたいのです。それは決して後ろ向きなことではなく、夫となり父となるために不可欠な作業であるとさえ思います。自分が深く父の影響を受けていることを知るのは、その影響を払拭するための大前提なのです。

コントロールを喪失する=依存症

 さて肝心のアルコール依存症についてですが、アルコールという薬物に対する反応における遺伝的要素は否定できないようです。アルコールの酔いが何らかのメリットをもたらさなければアルコール依存症にはなりません。父親がアルコール依存症であるということは、アルコールを摂取することでミエさんも「酔いの快楽」を経験できる可能性が大きいということを表しています。そのことが直線的にアルコール依存症につながるわけではありませんが、人生においてつらい時期にアルコールの酔いだけが救いになることもあるでしょう。依存症になる危険性はそこに潜んでいます。

 ミエさんはワインを飲む時間が増えているとお書きになっていますが、それが楽しみであれば問題ないのですが、飲むことに罪悪感を感じながらそれでも飲んでしまうのであれば、少々問題だと言わざるをえません。さまざまなことにのめり込みハマってしまうのは、いつのまにかコントロールを喪失していることを表しています。自分でも止められないことをコントロール喪失といいますが、実は過剰なセルフコントロールとそれの喪失とはコインの裏と表の関係にあります。なすがまま、やりたいようにしている人はコントロールを喪失しているわけではありません。むしろ自分を責めて止めようとすればするほど止まらなくなり、コントロールを喪失していくのです。依存症になる人は、裏返せば自分を責めている人なのです。父親のアルコール依存症が飲むことへの罪悪感につながっているとすれば、ミエさんは依存症になる危険性が高いことになります。

予防できる世代間連鎖

 危険性が高いことはやめましょう。ワインを飲むことは今なら簡単にやめることができます。もう少し時間が経つとミエさんのアルコールへの依存度は強くなるでしょう。そうなればやめるのはどんどん困難になります。この段階で相談してみようと思われたのは適切な判断でした。

 さて冒頭でも申し上げましたが、ミエさんはこれまでの人生をもう少し評価してもいいのではないでしょうか。家族に内密にしたままで摂食障害から回復されたことは、何より評価されるべきでしょう。多くの摂食障害者は10年以上も症状に苦しみ、周囲の家族を巻き込んでいきます。それに比べればなんと健気なことでしょう。父のDVとアルコール依存症に苦しんでいる母親に苦労をかけたくないという思いからか、それとも自分の苦しみを親が理解できるはずもないという絶望からか、いずれにしてもその孤高の姿はミエさんのプライドそのものを表しています。そのプライドこそが、ミエさんのこれまでの人生を守り支えてきたということを信じていただきたいのです。用心深くギャンブルやゲームを遠ざけ、人間関係においても決定的に傷つくことを避けてきたこと。これらも同じプライドの表れとして位置づけることができるでしょう。

 そんなミエさんに提案があります。プライドは自分を守りますが、時には他者を遠ざけることもあります。そこから生まれる孤独感と孤立感は、実はアルコールの酔いと親和性が高いのです。ワインをやめたついでに、同じ経験をもつ人たちのグループにつながり、参加してみませんか。アルコール依存症や機能不全家族で育った人たちの自助グループやカウンセリング機関で実施されるグループもあります。ミエさんのように深い孤立を経験した人だからこそ味わえる、他者とつながる喜びがあるでしょう。そうすることで世代間連鎖という言葉に怯える必要はなくなり、幸せな家庭を築く可能性も出てくるのではないでしょうか。


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註1:2004年に改訂版刊行
 2:特定非営利活動法人児童虐待防止協会(APCA)1990設立
 3:社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP)1991設立
 4:ACA(Adult Children Anonymous、アダルト・チルドレン・アノニマス)http://aca-japan.org/

やさしい医学リポート:「飲酒」はがんリスクを押し上げる
https://aspara.asahi.com/blog/medicalreport/entry/5VROYOrRie

坪野吉孝 《山形さくら町病院精神科・早稲田大学大学院客員教授》

世界保健機関(WHO)のがん研究機関は、アルコールが口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、大腸、女性乳房のそれぞれのがんの原因になると判定している。

アルコールががんの原因としてどのくらいの割合を占めているかを推計した論文が、英国医学雑誌に4月公表された。

欧州8カ国(フランス、イタリア、スペイン、英国、オランダ、ギリシア、ドイツ、デンマーク)の追跡調査に参加する主に37~70歳の男女363,988人を対象に分析した。

飲酒の状況を質問票でたずね、最近1年間に飲酒していた者を「現在飲酒者」、以前は飲酒していたが最近1年間は止めた者を「過去飲酒者」、以前も最近1年間も飲酒していなかった者を「非飲酒者」と分類した。

男性では、現在飲酒者が88.2%、過去飲酒者が6.2%、非飲酒者が5.6%だった。女性では、それぞれ79.3%、9.0%、11.7%だった。現在飲酒者の割合は、デンマークとドイツで高く、ギリシアとスペインで低かった。

平均8.8年間の追跡調査に基づいて分析したところ、非飲酒者と比べて、過去飲酒者の全がん発症リスクは男性が1.54倍、女性が1.10倍だった。現在飲酒者の全がん発症リスクは、1日のアルコール摂取量が12グラム(日本酒で約半合)増えるごとに、男女とも3%ずつ高くなった。

これらの結果をもとに推計すると、アルコール(現在飲酒と過去飲酒)ががんの発症に占める割合は、全がんでは男性で10%、女性で3%だった。つまり、アルコールが、男性の全がんの原因の10%、女性の全がんの原因の3%を占めるという結果だった。

また、同じ割合を、アルコールが原因になるがん(口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸・女性乳房)に限って推計すると、男性では32%、女性では5%だった。
アルコールががんの発症に占める割合
【 すべてのがん 】
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【 アルコールが原因になるとされる7種のがん 】
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少量から中等量の飲酒は、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患のリスクを下げることが分かっている。しかし著者らは、飲酒ががんのリスクを上げ、しかも、ここまでならがんのリスクを上げないという飲酒量の上限がないことから、心血管疾患や総死亡率の低下のために飲酒を勧めるべきではないと主張している。

今回の研究はヨーロッパでのデータだが、その結果はおおむね日本にも当てはまると考えられるだろう。飲酒はストレス解消や人とのコミュニケーションをはかる上で有用だ。けれども、いくつかのがんのリスクが飲酒で上がることがはっきり分かっていることも、覚えておく必要がある。

いずれにせよ、飲むならほどほど(男性なら1日平均で日本酒1合程度、女性はその半分)にすることが大切だ。

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