ヤマアラシのジレンマ

Das Dilemma der Stachelschweine - 「心の家路」のブログ

薬物依存の相談、5年で565人 県センター初公表

薬物依存の相談、5年で565人 県センター初公表
http://www.shinmai.co.jp/news/20120215/KT120214FTI090032000.html魚拓

 2006年度からの計5年間に県内の医療機関などに薬物依存に関する相談を寄せた人は延べ565人に上り、そのうち薬物依存の本人など相談対象者の4割に何らかの逮捕歴があることが14日、県精神保健福祉センターのまとめで分かった。同センターが5年間分のデータを公表するのは初。同センターは「薬物依存者は薬物を手に入れて使うことに執着する病気。医療機関や司法関係者が情報共有するなどの連携が必要だ」としている。

 長野市内で同日開かれた県薬物依存症対策推進会議で報告された。06年4月から09年9月と、10年4月から昨年9月までの計5年間に、県内の医療機関や保健所、薬物依存者を支援する民間団体「長野ダルク」(上田市)、同センターなどに寄せられた相談をまとめた。

 相談したのは本人が204人(36・1%)、親が171人(30・3%)。本人の年齢は30代が175人(31・0%)で最も多く、20代、40代と続いた。このうち薬物に依存している本人など相談対象者の223人(39・5%)について何らかの逮捕歴があった。

 また、初回の主な相談は「薬をやめたい(やめさせたい)」が116件で最多。治療希望や回復のための施設入所希望を求める人も多かった。

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 現在使用している薬物は覚せい剤が173人(30・6%)と最多で、向精神薬は114人(20・2%)。シンナーなどの有機溶剤は29人(5・1%)、合法ドラッグは5人(0・9%)だった。

 長野ダルク代表の竹内剛さん(50)は、本人や家族が相談を求めることから支援が始まるため、「相談窓口の確保が重要」と指摘する。

 同センターの小泉典章所長は「薬物依存者は依存症という病気」と強調。現在県内に2カ所ある、依存症者への回復プログラムを実施する病院を拡大することや、相談支援充実の研修会開催が必要―としている。

薬物中毒者の脳に遺伝的異常、サイエンス誌

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薬物中毒者の脳に遺伝的異常、サイエンス誌
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2855840/8419577魚拓
2012年02月06日 16:05 発信地:ワシントンD.C./米国   

【2月6日 AFP】薬物中毒者は、衝動の抑制に関与する脳部位の異常を遺伝的に受け継いでいるとする研究が、2日の米科学誌サイエンス(Science)に掲載された。

 英ケンブリッジ大(University of Cambridge)のKaren Ersche氏率いる研究チームは、薬物中毒者とその兄弟姉妹、無関係のボランティアの脳を比較分析。その結果、薬物中毒者のきょうだいたちの脳には、本人が薬物中毒でないにもかかわらず、薬物中毒者の脳に見られる脆弱(ぜいじゃく)性の多くが確認された。

 これは、脳の脆弱性が家系に由来することを示唆している。薬物中毒者のきょうだいが中毒者にならなかった理由は、環境的な要因あるいは脳の他の部位の差異によると考えられる。Ersche氏は「恐らく、きょうだいたちには薬物依存に対する家系的な脆弱性に適応したレジリエンス(弾力性、回復力)が備わっているはずだ」と説明した。 

 研究チームは、一方が薬物中毒者でもう一方がそうでない50組のきょうだいと、無関係の健康な50組の対照群について、ある行動から別の行動にどれほどの速さで切り替えることができるかを見る反応抑制(stop signal reaction time、SSRT)検査で、被験者らがどれだけ衝動を制御できるかを調べた。

 薬物中毒者はうまく衝動を抑えられないことが知られているが、研究の結果、薬物中毒ではないきょうだいも対照群と比較して明らかにSSRT検査の成績は悪かった。

 また脳をスキャンしたところ、薬物中毒ではないきょうだいも前頭葉や、運動・認識・行動に関連する大脳基底核と前頭葉との連結部に、薬物中毒者と同じ脆弱性がいくつか見つかった。「ある個人が興奮系薬物依存症になる傾向は、自制を保てない脳の異常によってもたらされている可能性がある」と、Ersche氏は述べている。(c)AFP

アルプス断酒会高橋会長 全国大会表彰

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断酒に貢献 全国大会表彰 朝日の高橋好道さん
http://www.map-color.co.jp/times_news/archives/8142.html
 2011.11.13 (日)
 NPO法人長野県断酒連合会の前理事長で、アルプス断酒会の名誉会長・高橋好道さん(81)=朝日村西洗馬=がこのほど、第59回精神保健福祉全国大会で日本精神保健福祉連盟会長表彰を受けた。地域の断酒会の中心となって、長年尽力してきた功績が認められた。高橋さんは受賞の喜びをかみしめ、支えてくれた関係者に感謝の思いを新たにしている。

様々お世話になっている断酒会の会長さんが、表彰されたという地元紙の記事です。2年前、全国大会開催のために積み立てた金を県断連の会計担当理事が使い込んでしまうという事件があり、その事後処理は端から見ていてもなかなか大変だったようです。AAにも奥様と二人でお招きし、酒害体験を話していただきました。

ハマってしまう自分をどうすればいいのでしょう

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臨床心理士・信田さよ子「あなたの悩みにおこたえしましょう」
ハマってしまう自分をどうすればいいのでしょう
https://aspara.asahi.com/column/nayami-okotae/entry/BMHl6vDJQy

Q ハマってしまう自分をどうすればいいのでしょう ミエ、35歳

 思春期のころから摂食障害になり、約8年間過食と嘔吐を繰り返す生活を送りました。親には知られたくないと思い隠れて吐いていましたし、それほどひどく体重が減ったわけでもなかったので、幸い今でも家族はそのことを知らないままです。

 就職して実家を離れ、食事の習慣を規則正しくするよう努力したことが功を奏したのか、25歳ごろには症状はなくなりました。ところがそのころから別の悩みが生まれました。ヨガを始めると休みの日までヨガ教室に通いつめ最後には腰を痛めてしまい、手芸の刺繍を始めると睡眠時間を削ってまで根を詰め、最後には部屋中に作品が溢れるほどになりました。やり始めると自分でも止められないほど夢中になってしまい最後は行き詰まってやめるということの連続なのです。35歳になった今そんな自分に気づき、つくづくいやになりました。新しいことを始めようと思うのですが、ついつい躊躇してしまいます。

 最近の私は仕事から帰ってからの時間をひとりでワインを飲んで過ごすようになりました。実は、父親はアルコール依存症といっていいほどの酒飲みです。しょっちゅう酔って母に暴力をふるい、私も何度かひどく殴られた記憶があります。父は70歳を目前にしながら、今でも実家で毎晩のように酒を飲み母を困らせています。そんな家族だったので、幼いころから父のような男性とは結婚しないと誓い、成人してからは飲酒するにもかなり用心深くしてきました。きっとのめり込んでしまうと思うので、ゲームやギャンブルにも近寄らないようにしてきました。

 そんな努力をしてきたにもかかわらず、いつのまにかワインを飲む時間が増えた私が不安なのです。いつか父のようになってしまうのではないでしょうか。何事にものめり込む性格は世代間連鎖するのでしょうか。

 振り返ってみれば、人間関係も熱中しては離れることを繰り返してきたような気がします。お付き合いする男性との関係も長続きしません。早く結婚して、両親とは違う幸せな家庭を築きたいのです。こんな私をなんとか変える方法はあるのでしょうか。アドバイスをお願いします。

A 心理学用語が用いられるとき

 ご質問の内容ですが、読む人が読めばどこが問題なのだろうと訝しんでしまうでしょう。かつて摂食障害だったが今では症状はなくなっている、仕事はちゃんと続けている、趣味もやり始めれば一定程度の道は極める......。これらはほめられこそすれ、何か問題があるわけではないでしょう。なのにミエさんはそこに大きな問題を感じていらっしゃる。

 その根底にあるのはアルコール依存症である父への嫌悪と、その娘であるがゆえにいつか自分も父に似てしまうのではないかという恐怖なのではないでしょうか。自分が親のようになってしまうという世代間連鎖をミエさんは何より怖れていらっしゃるのです。では、果たして世代間連鎖は起きるのでしょうか。まずこの言葉について簡単に説明しておきましょう。

 心理学用語が人々に取り入れられるのは相応の理由があります。そのいい例が性格という言葉です。今や日常用語になったこの言葉は戦後社会において急速に広がったものです。民主主義社会においては、人々は生まれつきの家柄や性別によって決定されるのではなく、平等な人権に基づいて生きることができるようになりました。たとえ建前であったとしてもそのことが憲法に謳われてから、性格という言葉が流通し始めたのです。もともとの性質(たち)や性根、人品とも異なる性格という心理学的な言葉は、個人を尊重し、その結果として個人の責任に帰せられる言葉でした。親がしつけや育児に際して「あの子の性格は~」と語るとき、子どもには性格という目に見えない実体が備わっており、そこに問題があるのだと主張しているのです。子どもの性格は子どものものなのですから、親に責任はなくなります。また対人関係において、「あの人はヘンだ」という代わりに「あの人は性格がヘンだ」と批判されれば、ヘンな性格を修正する責任が強調され、却って傷ついてしまうでしょう。

 このようにして心理学用語は、その都度日本の社会に必要とされて定着してきました。最近では「トラウマ」「自己評価が高い(低い)」などが挙げられます。世代間連鎖もそのひとつと考えていいでしょう。逆にそれらから日本の社会の変貌を見ることができるかもしれません。

「世代間連鎖」という言葉が隠ぺいしたもの

 この言葉が日本で広範に受け入れられるようになったのは、1990年代に入ってからでしょう。私の記憶によれば、もともとはアルコール依存症の親をもつ人たちが、成人後、親と同じくアルコール依存症になってしまうという多くの事実から生まれた用語です。私も分担して翻訳している『私は親のようにならない―嗜癖問題とその子どもたちへの影響』(クラウディア・ブラック著、斎藤学監訳、誠信書房、1989)は世代間連鎖の問題を描いた最初の本でした。著者によれば、アメリカではアルコール依存症者の子どもは成人後約半数が同じ依存症に、四分の一の配偶者が依存症者になるというのです。あまりに希望がないと思われるかもしれませんが、この本はそうならないための手立ても書かれています。しかしながら、日本において広がったのは、アルコール依存症のもたらす次世代への影響より、「親のようになってしまう」という悲観的な側面だったのです。それがもっとも活用されたのが子どもへの虐待でした。

 90年のバブル崩壊後、日本経済は成長を鈍化させ長期にわたる低迷状態へと突入していきます。同じ時期、日本では子どもの虐待防止が叫ばれ始めました。大阪と東京で、親の虐待から子どもを守るための市民団体が、小児科医や弁護士・精神科医・保健師などを中心として相次いで設立され活動を開始します。マスメディアでも虐待死のニュースが流れ始め、特集も組まれました。それらの論調の多くは虐待する母を克明にルポし、彼女たちも虐待されて育った、つまり世代間連鎖によるものだと結論づけました。言うなれば、「母性」を喪失し虐待に走る母を俎上に上げ、その理由として彼女たちも虐待されて育ったという因果論によって説明づけたのです。多くの読者は虐待という残虐な行為に戸惑うからこそ、このようなわかりやすい説明を受け入れたのです。これが世代間連鎖という言葉が一気に広まるきっかけとなりました。

 虐待を母=女性の問題に矮小化し、さらに世代間連鎖という因果論で説明することで隠ぺいされたものは何だったのでしょう。

 2000年に子どもの虐待防止法が施行されて以来、さまざまな調査によって明らかになってきたことがあります。それは虐待の加害者の多くは実父・義父であることでした。また虐待されて育った女性が必ずしも虐待する母になるわけではないことも明らかになっています。つまり90年代に世間一般に受け入れられたあの世代間連鎖という言葉はそれほど根拠がなかったのです。

 とすれば、当時の社会において虐待を女性=母の問題へと囲い込み、「自己責任」の対極である運命論的な世代間連鎖と結論づけたことは、不況のさなかで子どもを虐待する男性=父の姿を隠ぺいし、さらにすべてを自己責任へと集約する新自由主義(ネオリベラリズム)からの解放を意味したのではないでしょうか。おまけに、母=女性は虐待されて育った被害者性を承認されることで自分を責めずに済み、父=男性の責任も不問に付されたのです。

世代間連鎖は男性の問題

 近年新たに注目されるようになったのは、DV(ドメスティック・バイオレンス)を目撃して育った男児が、長じて父と同じく配偶者に暴力をふるうようになるという世代間連鎖です。DVを目撃することは広義の虐待であり、その影響は男児と女児ではジェンダー差があると言われています。少々雑駁な説明になりますが、父から母への暴力を見た男児は攻撃性を他者に向け、女児は自分に向ける傾向があると言われます。

 私はDV加害者プログラムを実施していますが、そこに参加する男性たちの多くは子ども時代に父から母へのDVを目撃しているという事実も、それを裏付けるように思います。したがって世代間連鎖は女性(母から娘へ)の問題ではなく、むしろ男性(父から息子へ)の問題だと言ってもいいでしょう。女性は否が応でも出産を経験することで母親のことを思い出さざるを得ませんが、男性も結婚する前に今一度父親のことを思い出し、母にとって父がどのような夫だったかを振り返ってもらいたいのです。それは決して後ろ向きなことではなく、夫となり父となるために不可欠な作業であるとさえ思います。自分が深く父の影響を受けていることを知るのは、その影響を払拭するための大前提なのです。

コントロールを喪失する=依存症

 さて肝心のアルコール依存症についてですが、アルコールという薬物に対する反応における遺伝的要素は否定できないようです。アルコールの酔いが何らかのメリットをもたらさなければアルコール依存症にはなりません。父親がアルコール依存症であるということは、アルコールを摂取することでミエさんも「酔いの快楽」を経験できる可能性が大きいということを表しています。そのことが直線的にアルコール依存症につながるわけではありませんが、人生においてつらい時期にアルコールの酔いだけが救いになることもあるでしょう。依存症になる危険性はそこに潜んでいます。

 ミエさんはワインを飲む時間が増えているとお書きになっていますが、それが楽しみであれば問題ないのですが、飲むことに罪悪感を感じながらそれでも飲んでしまうのであれば、少々問題だと言わざるをえません。さまざまなことにのめり込みハマってしまうのは、いつのまにかコントロールを喪失していることを表しています。自分でも止められないことをコントロール喪失といいますが、実は過剰なセルフコントロールとそれの喪失とはコインの裏と表の関係にあります。なすがまま、やりたいようにしている人はコントロールを喪失しているわけではありません。むしろ自分を責めて止めようとすればするほど止まらなくなり、コントロールを喪失していくのです。依存症になる人は、裏返せば自分を責めている人なのです。父親のアルコール依存症が飲むことへの罪悪感につながっているとすれば、ミエさんは依存症になる危険性が高いことになります。

予防できる世代間連鎖

 危険性が高いことはやめましょう。ワインを飲むことは今なら簡単にやめることができます。もう少し時間が経つとミエさんのアルコールへの依存度は強くなるでしょう。そうなればやめるのはどんどん困難になります。この段階で相談してみようと思われたのは適切な判断でした。

 さて冒頭でも申し上げましたが、ミエさんはこれまでの人生をもう少し評価してもいいのではないでしょうか。家族に内密にしたままで摂食障害から回復されたことは、何より評価されるべきでしょう。多くの摂食障害者は10年以上も症状に苦しみ、周囲の家族を巻き込んでいきます。それに比べればなんと健気なことでしょう。父のDVとアルコール依存症に苦しんでいる母親に苦労をかけたくないという思いからか、それとも自分の苦しみを親が理解できるはずもないという絶望からか、いずれにしてもその孤高の姿はミエさんのプライドそのものを表しています。そのプライドこそが、ミエさんのこれまでの人生を守り支えてきたということを信じていただきたいのです。用心深くギャンブルやゲームを遠ざけ、人間関係においても決定的に傷つくことを避けてきたこと。これらも同じプライドの表れとして位置づけることができるでしょう。

 そんなミエさんに提案があります。プライドは自分を守りますが、時には他者を遠ざけることもあります。そこから生まれる孤独感と孤立感は、実はアルコールの酔いと親和性が高いのです。ワインをやめたついでに、同じ経験をもつ人たちのグループにつながり、参加してみませんか。アルコール依存症や機能不全家族で育った人たちの自助グループやカウンセリング機関で実施されるグループもあります。ミエさんのように深い孤立を経験した人だからこそ味わえる、他者とつながる喜びがあるでしょう。そうすることで世代間連鎖という言葉に怯える必要はなくなり、幸せな家庭を築く可能性も出てくるのではないでしょうか。


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註1:2004年に改訂版刊行
 2:特定非営利活動法人児童虐待防止協会(APCA)1990設立
 3:社会福祉法人子どもの虐待防止センター(CCAP)1991設立
 4:ACA(Adult Children Anonymous、アダルト・チルドレン・アノニマス)http://aca-japan.org/

やさしい医学リポート:「飲酒」はがんリスクを押し上げる

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やさしい医学リポート:「飲酒」はがんリスクを押し上げる
https://aspara.asahi.com/blog/medicalreport/entry/5VROYOrRie

坪野吉孝 《山形さくら町病院精神科・早稲田大学大学院客員教授》

世界保健機関(WHO)のがん研究機関は、アルコールが口腔、咽頭、喉頭、食道、肝臓、大腸、女性乳房のそれぞれのがんの原因になると判定している。

アルコールががんの原因としてどのくらいの割合を占めているかを推計した論文が、英国医学雑誌に4月公表された。

欧州8カ国(フランス、イタリア、スペイン、英国、オランダ、ギリシア、ドイツ、デンマーク)の追跡調査に参加する主に37~70歳の男女363,988人を対象に分析した。

飲酒の状況を質問票でたずね、最近1年間に飲酒していた者を「現在飲酒者」、以前は飲酒していたが最近1年間は止めた者を「過去飲酒者」、以前も最近1年間も飲酒していなかった者を「非飲酒者」と分類した。

男性では、現在飲酒者が88.2%、過去飲酒者が6.2%、非飲酒者が5.6%だった。女性では、それぞれ79.3%、9.0%、11.7%だった。現在飲酒者の割合は、デンマークとドイツで高く、ギリシアとスペインで低かった。

平均8.8年間の追跡調査に基づいて分析したところ、非飲酒者と比べて、過去飲酒者の全がん発症リスクは男性が1.54倍、女性が1.10倍だった。現在飲酒者の全がん発症リスクは、1日のアルコール摂取量が12グラム(日本酒で約半合)増えるごとに、男女とも3%ずつ高くなった。

これらの結果をもとに推計すると、アルコール(現在飲酒と過去飲酒)ががんの発症に占める割合は、全がんでは男性で10%、女性で3%だった。つまり、アルコールが、男性の全がんの原因の10%、女性の全がんの原因の3%を占めるという結果だった。

また、同じ割合を、アルコールが原因になるがん(口腔・咽頭・喉頭・食道・肝臓・大腸・女性乳房)に限って推計すると、男性では32%、女性では5%だった。
アルコールががんの発症に占める割合
【 すべてのがん 】
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【 アルコールが原因になるとされる7種のがん 】
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少量から中等量の飲酒は、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患のリスクを下げることが分かっている。しかし著者らは、飲酒ががんのリスクを上げ、しかも、ここまでならがんのリスクを上げないという飲酒量の上限がないことから、心血管疾患や総死亡率の低下のために飲酒を勧めるべきではないと主張している。

今回の研究はヨーロッパでのデータだが、その結果はおおむね日本にも当てはまると考えられるだろう。飲酒はストレス解消や人とのコミュニケーションをはかる上で有用だ。けれども、いくつかのがんのリスクが飲酒で上がることがはっきり分かっていることも、覚えておく必要がある。

いずれにせよ、飲むならほどほど(男性なら1日平均で日本酒1合程度、女性はその半分)にすることが大切だ。

成人の2.1%が発達障害の一つ「ADHD」 浜松医大などが調査

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成人の2.1%が発達障害の一つ「ADHD」 浜松医大などが調査
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20111118/CK2011111802000148.html魚拓
2011年11月18日

 浜松医科大と浜松市は17日、発達障害の一つで成人期の注意欠陥多動性障害(ADHD)がある人の割合や傾向を共同調査し、協力した市民の2・1%がADHDにあたると結論づける研究結果を発表した。

 成人期のADHDは日本では現状把握や治療法が未確立で、調査は国内で初めて。結果から、浜松市では約8000人が成人期のADHDと推測でき、浜松医科大の中村和彦准教授は「全国的にも同様の割合や特徴があると見ていい」と見解を述べた。

 調査は2010年2月から約1年間をかけて実施。無作為に抽出した市内の18~49歳の1万人に、日常生活の集中力や計画性などに関する診断表を配布し、3911人から回答を得た。

 その結果、ADHDの疑いがある陽性群は197人で、面接の結果、回答者全体の2・1%がADHDであると診断した。

 また、陽性群と陰性群を比較した結果、陽性群は20代に多く40代後半に少ない傾向があり、「男性」「未婚」「一人暮らしか親と同居」「無職」「世帯収入が200万円以下」「不健康」「通院中」と答えた人に多くみられた。悩みやストレスは「よくあった」と回答した人が圧倒的に多かった。

オピオイド拮抗薬ナルトレキソン、アルコール依存症の治療効果はプラセボ並み

オピオイド拮抗薬ナルトレキソン、アルコール依存症の治療効果はプラセボ並み
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/hotnews/archives/160499.html魚拓

2001.12.17

 比較的重症のアルコール依存症患者を対象とした臨床試験で、1995年から米国でアルコール依存症治療薬として使われているナルトレキソンに、プラセボと同程度の治療効果しかないことがわかった。米国には約800万人のアルコール依存症患者がいるが、ナルトレキソンは服薬コンプライアンスの高い治療薬として頻用されており、今回の試験結果は医療現場に大きな影響を及ぼしそうだ。研究結果は、New England Journal of Medicine(NEJM)誌12月13日号に掲載された。

 ナルトレキソンは、オピオイドのμ受容体に対する拮抗薬。アルコール依存症の原因の一つとなる飲酒の"報酬効果"をブロックし、飲酒に伴う高揚感などを失わせることで、断酒を続けやすくする効果があるとされる。

 米国退役軍人Connecticutヘルスケアシステム・退役軍人アルコール研究センター部門のJohn H. Krystal氏らは、ナルトレキソンがプラセボよりも断酒継続効果が高いとする報告が出された後、追加で行われた複数の臨床試験で、「示唆されたほどの効果はない」との報告が出されている点に着目。各地の退役軍人医療センター15カ所と共同で、ナルトレキソンとプラセボとを比較する大規模試験を行った。

 試験の対象となったのは、15医療センターでアルコール依存症の治療を受けており、試験登録時に断酒が継続できている退役軍人3372人。Krystal氏らは、カウンセリングなど他の治療法によるばらつきが出ないよう、各センターから30~50人ずつ患者を抽出。総計627人を無作為に3群に分け、ナルトレキソンの短期服用、長期服用とプラセボ服用とで、断酒の継続期間などに違いが出るかどうかを調べた。

 対象患者の平均年齢は約49歳で、ほぼ全員が男性。白人が約6割、黒人が約3割を占めた。アルコール依存症歴は長く、平均23歳から継続的な飲酒を始め、30歳頃に飲酒が止められなくなっている。また、パートナーと同居しているのは全体の3分の1で、残りは別居、別離または独身であり、家庭環境的にも断酒が困難な患者が比較的多かった。

 研究グループは、ナルトレキソンを12カ月服用した「長期服用群」(209人)と、ナルトレキソンを当初3カ月服用、残りの9カ月はプラセボを服用した「短期服用群」(209人)、プラセボを12カ月服用した「プラセボ群」(209人)とを比較した。すると、13週目の評価では、ナルトレキソン群(長期服用群+短期服用群)とプラセボ群との間で、断酒期間に違いがみられなかった。52週目の評価でも、ナルトレキソン群(長期服用群)とプラセボ群(短期服用群+プラセボ群)とで、飲酒日数や1日の飲酒量に有意差はなかった。

 次に研究グループは、断酒の継続や、飲酒再開後の飲酒日数などに影響を与える因子を解析した。その結果、医療センターで行われる個人カウンセリングへの参加頻度や、地域のアルコール依存症自助グループ(アル・アノン)への参加率と、断酒の継続日数などとの間に有意な相関がみられた。また、ナルトレキソンあるいはプラセボの「服薬コンプライアンス」が良い人では、飲酒再開後の1日の飲酒量が有意に少なかった。しかし、こうした効果はナルトレキソンを服薬したかどうかには特に関係がなかったという。

 Krystal氏らは、断酒に対する効果と、カウンセリングや自助グループへの参加率、服薬コンプライアンスとの相関は、「断酒への意欲が高い」との共通項を反映するもので、因果関係ではない可能性があると指摘。その上で、少なくとも「慢性で重症のアルコール依存症男性に対しては、ナルトレキソンの効果は認められない」とし、こうした患者に対する同薬の処方は勧められないとした。

 この論文のタイトルは、「Naltrexone in the Treatment of Alcohol Dependence」。アブストラクトは、こちらまで。
http://content.nejm.org/cgi/content/short/345/24/1734

断酒に貢献 全国大会表彰 朝日の高橋好道さん

断酒に貢献 全国大会表彰 朝日の高橋好道さん
http://www.map-color.co.jp/times_news/archives/8142.html
2011.11.13 (日)
 NPO法人長野県断酒連合会の前理事長で、アルプス断酒会の名誉会長・高橋好道さん(81)=朝日村西洗馬=がこのほど、第59回精神保健福祉全国大会で日本精神保健福祉連盟会長表彰を受けた。地域の断酒会の中心となって、長年尽力してきた功績が認められた。高橋さんは受賞の喜びをかみしめ、支えてくれた関係者に感謝の思いを新たにしている。

スポンシー共々、お世話になっております。

女性のアルコール依存症、脳へのダメージは男性より3倍早い

女性のアルコール依存症、脳へのダメージは男性より3倍早い
http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2839902/8058211魚拓

2011年11月10日 17:25 発信地:ストックホルム/スウェーデン

【11月10日 AFP】女性のアルコール依存症者の脳へのダメージは、男性に比べて3倍早く進むとの研究結果を9日、スウェーデンの研究チームが発表した。

 アルコール依存が進むと、特にセロトニンと呼ばれる脳内神経伝達物質が減少する。セロトニンは抑うつ状態・慢性不安の進行や治療の鍵となる物質で、衝動の制御や入眠・覚醒を調整する能力もコントロールしている。そのため、気分や衝動、睡眠などに影響が出る。

 スウェーデンのイエーテボリ大学(Gothenburg University)心理学部と、サールグレンスカ・アカデミー(Sahlgrenska Academy)の名で知られる同大保健科学部の共同チームは、アルコール依存症だと自認する42人(うち3分の2は女性)と健常対象者28人の脳機能を研究した。すると、アルコールの過剰摂取を4年間続けた女性の脳内では、セロトニンの機能が半減していたが、男性で同程度の影響が出るまでには12年間かかっていた。

 実験に参加したアルコール依存症の女性たちは、平均して週にワイン12本分に相当するアルコール飲料を4年間飲み続けていた。一方、男性の参加者が飲んでいたアルコール量も同等だったが、現在の依存状態になるまでに12年かかっていた。セロトニンの機能に起こっている障害については、両者で違いは見られなかった。

 研究を行ったクリスティナ・ベルグルンド(Kristina Berglund)氏は「機能障害は、女性のほうがずっと早く進んでいる」と指摘した。

 この結果は、アルコール依存症に関する医学誌「Alcoholism: Clinical and Experimental Research」2012年1月号に掲載される予定だが、ベルグルンド氏は「アルコール依存症者でセロトニンの機能が低下することは驚きではないが、脳内でさえ、女性のほうがずっと傷つきやすいことが分かり、驚いている」と語った。

 ただし、サールグレンスカ・アカデミーの研究者の1人、ウルフ・ベルグレン(Ulf Berggren)氏は、時間的には違いはあるものの、男性の依存症患者もいずれはセロトニンの機能に女性と同程度の障害をきたすと警告している。また、セロトニンの機能に起きる著しい障害とアルコールの過剰摂取に関連があることは分かったが、障害がもたらす心理的影響についてもさらに研究する必要があると述べた。(c)AFP

増える高齢者のアルコール依存 定年前から要注意

増える高齢者のアルコール依存 定年前から要注意
2011/9/29付
http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE1E7E3E4E7E3E2E2E0EAE2EBE0E2E3E39C9C8182E2E3;p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E3E2E3魚拓
http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE1E7E3E4E7E3E2E2E0EAE2EBE0E2E3E39C9C8182E2E3;df=2;p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E3E2E3魚拓
http://www.nikkei.com/life/health/article/g=96958A96889DE1E7E3E4E7E3E2E2E0EAE2EBE0E2E3E39C9C8182E2E3;df=3;p=9694E0E4E3E0E0E2E2EBE1E3E2E3魚拓

 中高年のアルコール依存問題が深刻化している。団塊の世代を中心とした大量退職の時代を迎え、増加している高齢の依存症患者は認知症や心疾患などを併発し、病状が重くなる場合も多い。他方、働き盛り世代の自殺の背景としてアルコール問題が指摘され始めている。精神疾患や依存症の専門家らからは「老後の生き方も見据えた総合的な対策が必要だ」との声もあがる。

 大手商社に勤めていた東京都世田谷区の大槻元さん(66)は若い頃から酒量は多かったが、海外赴任中に度を越すようになり、帰国後は30代で「出勤前にも一杯ひっかけるようになった」。課長になり責任も重くなった40代に依存が本格的に。酒なしでは落ち着かなかったり脂汗が出たりし、下痢や嘔吐(おうと)など様々な症状が表れた。

 上司の指示で通院したものの、担当の精神科医は依存症は専門外。結局1カ月入院し断酒しただけで、その後も同じことを繰り返し「これ以上はいられない」と47歳で会社を辞めざるを得なかった。退職後に全日本断酒連盟に入り、現在は事務局長を務める。

全体の20%以上に

 断酒連では近年、60歳を過ぎた患者が門をたたく例が増えている。断酒連全体の会員数は減少傾向にあるが、60歳以上でみると2011年は2009人と10年前から400人増、構成比は14.5%から22.6%に跳ね上がった。厚生労働省の患者調査からも同様の傾向がみてとれる。

 アルコール関連問題専門施設の久里浜アルコール症センター(神奈川県横須賀市)でも、65歳以上の高齢患者は増加しており、同センターの松下幸生副院長は「高齢者は同じ飲酒量でも、他の年代に比べ血中アルコール濃度が高くなる傾向があり、アルコールには弱い」と指摘。認知障害や集中力低下が1週間以上続いたり、高血圧や心疾患など身体疾患や認知症を併発したりして、家族が困った末に入院となるケースもほかの年代に比べ多いという。

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断酒連が開く例会では、参加者が自身の酒害体験や断酒状況などについて話し合う

「薬より断酒」基本

 依存症の治療として代表的なのは、アルコールの害を学ぶ「酒害教育」や、患者同士でグループを作り他の患者の話を聞く「集団精神療法」。同センターでも、まずこれらを行い、加えて断酒会に参加させて断酒をさせている。

 認知症が深刻な高齢者らでは、グループホームなどへの入所も検討。患者に酒を買う金を持たせないことや、家に酒を置かないことなど、「家族への教育も不可欠」(松下副院長)という。

 また「近年は断酒だけでなく、節酒を目標とした治療法も研究が進んでいる」と東京アルコール医療総合センター(東京・板橋)の垣渕洋一医師。節酒の指導と、依存症の一因とされる脳内伝達物質ドーパミンの異常を治し飲酒欲求を抑える飲酒抑制薬とを組み合わせた方法だ。

 徐々に臨床現場で使われ始め、新薬も開発途上にある。ただ、こうした薬も飲酒欲求をゼロにできないので、節酒を目標にできるのは軽度の依存症に限られる。垣渕医師は「ほとんどの人は断酒による治療が基本」と強調する。

 こうした治療はあくまでアルコール依存症を発症した後の対応。そもそも高齢者が発症する場合、「定年後に特にやることがなく、朝から酒を飲みはじめたり、家族に隠れて飲んだりする場合が多い」と、依存症患者の相談を受ける特定非営利活動法人(NPO法人)「アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)」の今成知美代表は話す。

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飲酒による精神・行動傷害の入院患者数(推計)

自殺との関連も

 さらに、こうした60歳以上の患者のほとんどは「現役時代から依存症の素地が作られている」(大槻事務局長)という。"付き合い"の飲酒が10~20年と続いて依存症に発展するケースが多い、定年前の働き盛りの頃から予防策を講じる重要性を強調する。

 ここ数年は働き盛り世代の自殺とアルコール問題の関連も注目されており、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所が09年に行った調査では、自殺した有職者のうち3分の1強にアルコール依存傾向がみられ、多くは40~50代の働き盛りの男性だった。今成代表は「大量退職の時代を迎えた今、現役時代から退職後の生きがいや趣味を見つけ、酒に頼らない生き方を見つける取り組みが必要だ」と訴えている。
(八十島綾平、松尾洋平)


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酵素の型の違いが影響 「遺伝6割、環境4割」

 酒の強さは体質――。とはよくいわれるが、確かにアルコール依存症のなりやすさは、アルコールを分解する酵素の遺伝子型の違いが影響しているとされる。アルコールを有害なアセトアルデヒドに変える「アルコール脱水素酵素(ADH1B)」と、アセトアルデヒドを無害な酢酸に変える「アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)」だ。

 どちらの酵素にも3種類の型があり、ADH1Bは分解速度が「速い/普通/遅い」型、ALDH2は酢酸に変える機能が「よく働く/普通に働く/全く働かない」型に分けられる。

 これまでの臨床や研究で、最も依存症になりやすいとされるのは、ADH1Bが「遅い」型でALDH2が「よく働く」型の人だ。メカニズムは未解明だが、アセトアルデヒドの発生が遅く、発生すれば素早く無害にするので、多量に飲んでも気持ち悪くならずアルコールが長時間分解されないまま体内に残るタイプ。次いで2つの酵素とも「普通」が要注意だ。

 久里浜アルコール症センターの松下副院長は「依存症に遺伝が関係しているのは確か」とする一方で、「未解明の部分も多い」と話す。近年は、依存症への影響は「遺伝が6割、環境が4割」とも考えられており、松下副院長は「生育歴など周囲の環境も含めて対策を考える必要がある」と話している。

[日本経済新聞夕刊2011年9月29日付]