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国際疾病分類(ICD-11)の診断ガイドラインに基づいたアルコール依存症(依存症候群)の診断基準について。
(詳細が判明し次第掲載予定)
→ ICD-11 (World Health Organization)
→ ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics (World Health Organization)
国際疾病分類(ICD=International Classification of Diseases)は、世界保健機関(WHO)の定める伝染病、健康管理、臨床利用を目的とした標準的な診断分類である。現在の第10版(ICD-10)は1990年のWHO総会にて承認され、1994年より加盟国で使われている。第11版は2019年にWHO総会にて承認され、2022年に発効する予定である。
→International Classification of Diseases (ICD) (World Health Organization)
→疾病及び関連保健問題の国際統計分類
正式名称は “International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems”(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)。
ICDの基本原則は、全ての疾病、傷害等を網羅している「網羅性」と、分類同士の重複がない「排他性」です。これらの基本原則により、ICDを用いることで全ての傷病名を分類することが可能となるため、死因統計や疾病統計などへの使用に適していると言えます。 「疾病、傷害及び死因の統計分類の正しい理解と普及に向けて(ICD-10(2013年版)準拠)」1), p.1
すべての疾病、障害等は、ICD-10のどれか一つの項目に分類される。
→ 疾病、傷害及び死因の統計分類
→ 統計用途
精神・行動および神経発達の障害(Mental, behavioural or neurodevelopmental disorders)は第6章であり、診断カテゴリーの第1桁に6の文字が割り当てられている。
ICD-11の和訳はまだできていないため、病名についてはICD-11 新病名案(日本精神神経学会)を参考にした。
4桁目の物質と、5桁目の下位分類の組み合わせの有無。
有害な使用 依存 中毒 離脱 せん妄 精神病性障害 その他 0 アルコール × × × × × × × 1 大麻 × × × × × × × 2 合成カンナビノイド × × × × × × × 3 オピオイド × × × × × × × 4 鎮静剤 × × × × × × × 5 コカイン × × × × × × × 6 精神刺激薬 × × × × × × × 7 合成カチノン × × × × × × × 8 カフェイン × × × × 9 幻覚剤 × × × × × × A ニコチン × × × × B 揮発性吸入剤 × × × × × × × C MDMA × × × × × × × D 解離性薬物 × × × × × × × E 他の精神作用物質 × × × × × × × F 複数の精神作用物質 × × × × × × × G 不明の精神作用物質 × × × × × × × H 精神作用のない物質 × 注:×はICD-11の中で認められている分類
Alcohol dependence is a disorder of regulation of alcohol use arising from repeated or continuous use of alcohol. The characteristic feature is a strong internal drive to use alcohol, which is manifested by impaired ability to control use, increasing priority given to use over other activities and persistence of use despite harm or negative consequences. These experiences are often accompanied by a subjective sensation of urge or craving to use alcohol. Physiological features of dependence may also be present, including tolerance to the effects of alcohol, withdrawal symptoms following cessation or reduction in use of alcohol, or repeated use of alcohol or pharmacologically similar substances to prevent or alleviate withdrawal symptoms. The features of dependence are usually evident over a period of at least 12 months but the diagnosis may be made if alcohol use is continuous (daily or almost daily) for at least 1 month.
アルコール依存は、繰り返しあるいは継続的なアルコールの使用によって生じるアルコール使用の制御の障害である。その特徴はアルコール使用への強い内的欲望にあり、そのことは、使用のコントロールへの能力の減弱、他の活動よりも優先して使用するようになること、害やマイナスの結果にも関わらずに使用にこだわることによって明らかにされる。そうした経験は、しばしばアルコール使用への衝動や渇望という主観的な感覚を伴う。依存の生理学的な特徴が存在する可能性があり、それらはアルコールの効果への耐性、アルコール使用の中止または減量後の離脱症状、または離脱症状を予防あるいは緩和するためにアルコールまたは薬学的に類似した薬物を繰り返し使用することが含まれる。依存の特徴は通常12ヶ月以上の期間にわたって明らかになるが、少なくとも1ヶ月間、アルコール使用が継続的(毎日またはほぼ毎日)であれば、診断がつく場合もある。 WHO, ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics (Version : 04 / 2019)
アルコール以外の物質についても同様の記述である。
Gambling disorder is characterized by a pattern of persistent or recurrent gambling behaviour, which may be online (i.e., over the internet) or offline, manifested by:
impaired control over gambling (e.g., onset, frequency, intensity, duration, termination, context); increasing priority given to gambling to the extent that gambling takes precedence over other life interests and daily activities; and continuation or escalation of gambling despite the occurrence of negative consequences. The behaviour pattern is of sufficient severity to result in significant impairment in personal, family, social, educational, occupational or other important areas of functioning.The pattern of gambling behaviour may be continuous or episodic and recurrent. The gambling behaviour and other features are normally evident over a period of at least 12 months in order for a diagnosis to be assigned, although the required duration may be shortened if all diagnostic requirements are met and symptoms are severe.
ギャンブル障害は、持続的または反復的なギャンブル行動のパターンによって特徴づけられ、オンライン(i.e. インターネット経由)であるかオフラインであり、以下の特徴を持つ:
ギャンブルに対するコントロールの減弱(例:開始、頻度、強度、継続時間、終了、状況) 他の生活上の関心や日常の活動よりギャンブルが優先されるほどに、ギャンブルの優先順位が高くなる マイナスの結果が生じているにもかかわらずギャンブルを継続あるいはエスカレートさせる。その行動パターンは、個人的、家族的、社会的、教育的、職業的、または他の重要な領域の機能に著しい障害をもたらす結果をもたらすのに十分な重大性を有している。ギャンブル行動のパターンは、連続的であるか、あるいは挿間的で反復的である。診断を下すためには、通常12ヶ月以上の期間にわたってギャンブル行動およびその他の特徴が通常明らかでなければならないが、すべての診断要件が満たされかつ症状が激しければ必要な期間を短縮してもよい。 WHO, ICD-11 for Mortality and Morbidity Statistics (Version : 04 / 2019)
精神作用物質(アルコール・薬物)以外の嗜癖的行動がICD-11でどのように分類されているか。