日本でビッグブック（『アルコホーリクス・アノニマス』）が出版されてから三十数年が経過した。この間に改版か重ねられ、それに伴ってページ番号も変動してきた。まとめると、下表のA列からE列までの5種類のページ番号がふられている。

ビッグブックはAAメンバーが12ステップに取り組むときに使われる基本テキストなので、その内容に言及する際に「ビッグブックの○ページ」と述べる場合が多い。版によってページ数が異なるのはこうした参照の妨げとなる。

現在の日本のAAでは、AとBのものしか発行されていない。可搬性の問題からメンバーが使うのはBのものが主なのでページ数に関する混乱は少ないが、Bでは「個人の物語」304ページぶんが省略されているので、巻末の付録のページ番号がAとずれている。

1939年に発行されたビッグブックの英語版初版では、巻頭のPreface（序）のみローマ数字（i, ii, iii…)でページ番号が振られ、The Doctor's Opinion（「医師の意見」）からアラビア数字（1, 2, 3…）でページ数が振られた。1955年に発行された第2版では、The Doctor's Opinion がローマ数字のページ番号に変わり、第1章「ビルの物語」の先頭からアラビア数字でページ番号が振られた。これにより、その後の改版において第1章から第11章、および Dr. Bob's Nightmare はページ番号の変動せずにすんでいる。

ただし、巻頭から The Doctor's Opinion までと、後半の Personal Stories および巻末の Appendix は改版に伴ってページ番号が変動している。

英語版初版（1939年）と第2版（1955年）は、アメリカ国内では著作権法による保護期間が終了し、パブリック･ドメインとなっている。そのためこの二つはAA以外の出版社からも刊行されているが、それらのページ割りはAAから出版されたビッグブックと揃えてあるとは限らず、異なったページ番号が振られている場合もある。